印刷物とモニターの誤差について

[n20130622120252]印刷物とモニターの誤差について 投稿者:ugws 投稿日:2013/06/22 12:02:52
当方、グラフィックデザイナーです。

全面に写真を使用したパンフレットを数点(それぞれ違う写真を使用)、
毎月作成しています。仕上がりを元に調整したモニタで作業をしていますが、
毎回、それぞれの印刷の仕上がりに差があります。例えば、Aはマゼンタが
多め、Bはシアンが多め、Cは比較的モニタと近い…といった具合です。
こうした場合、原因としてはどういうケースが考えられるのでしょうか?
(同じ印刷会社、同じ紙を使用した場合)
よろしくお願いします。
[n20130624141642]Re:印刷物とモニターの誤差について 投稿者:吉田印刷所【運営】 投稿日:2013/06/24 14:16:42
毎回、それぞれの印刷の仕上がりに差があります。例えば、Aはマゼンタが多め、Bはシアンが多め、Cは比較的モニタと近い…といった具合です。

当社での例になりますが、印刷工程では測色を行い、一定のレベルの色の範囲に印刷色がなるよう設定しています。
印刷工程で使用する、紙・インキなどは温度や湿度などによって扱い方が変わってきて、印刷色がぶれるために測色を行っています。

基準色のカラーから色の差(色差)があるかはΔEという値で測っています。
ΔEがあらかじめ決めた値であれば、基準色に準じるとして印刷工程を進めます。

このΔEの大きさ、つまり色差の幅は印刷会社により異なります。大きければ、色の振れ幅も大きくなります。ΔEが小さければ色の振れ幅も小さくなります。

ではΔEを小さくしてもらえば良いという事になると思うのですが、ΔEを小さくするためには、印刷機のセッティングなどに時間と技術的なコストが掛かるため、その点は納期・コストなどとバランスをはかって印刷会社と調整を行う必要があると思います。

また、単純に色の違いを測色機ではなく、見た目で判断する場合は、見ている人により「ずれている」「ずれていない」という見解の違いが発生します。
その点は印刷会社で関知することが難しいこともご理解頂ければと思います。
[n20130627170408]Re:印刷物とモニターの誤差について 投稿者:ugws 投稿日:2013/06/27 17:04:08
吉田印刷所【運営】様

返信、ありがとうございました。

デザイナーとしての経験上、私自身はある程度の(印刷物とモニタの)誤差は避けられない問題と認識しています。
しかし、それで納得してくれないクライアントもいます。
何でこっちは色の差が無いのに、こっちはこんなに赤いんだ?といった具合に指摘してきて
印刷所に問題がないなら、デザイナーがレタッチでおかしなコトをしているのでは、と文句を付けられます。
今回は、モニタの色を「簡単に」印刷物として再現できると思い込んでいるクライアントに、それがどれだけ難しく、また時間や費用が必要であるかを説明するためにこのような質問をさせていただきました。

丁寧なご説明、感謝いたします。
[n20130627182512]Re[2]:印刷物とモニターの誤差について 投稿者:吉田印刷所【運営】 投稿日:2013/06/27 18:25:12
モニタの色を「簡単に」印刷物として再現

ここら辺はクライアントには非常に分かりづらい点なのかもしれませんね。
紙に対してインキの厚さは0.7μm~1.0μmが適性な値と言われています。(厚さは『オフセット印刷技術』作業手順と知識 日本印刷技術協会編を参考)
つまり、高速なオフセット印刷で1/1000mmの厚さをコントロールしているわけです。こう表現してみると結構すごいことをやっているように感じていただけるかもしれません。

【ご参考】
添付画像はK50に近いCMYKの値を1%~2%だけずらしたデータです(画面表示用にRGBに変換しています)。たった1%違うだけで、別の色に見えてしまいまうというサンプルです。

attached image
[n20130627191551]Re[3]:印刷物とモニターの誤差について 投稿者:ugws 投稿日:2013/06/27 19:15:51
返信ありがとうございます。

ここら辺はクライアントには非常に分かりづらい点なのかもしれませんね。
クライアントが印刷会社やデザイナーに対して求めるのは結局のところ
「金払ってるんだから望んでいる色を出せ」といったものです。
その割には印刷、レタッチ、写真撮影に関する知識は皆無に等しく
モニタの鮮やかなRGB画像の色味をCMYK印刷物で再現してほしい、
もしくは夕方に撮った人物を、日光の元で撮ったような色味に直せ、といった無茶を言ってきます。

こうした悩みは印刷業の方は日頃から痛感されているコトと思います。
色々とありがとうございました。

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