酒と鮭と、麹と鰤と

[3119]酒と鮭と、麹と鰤と 投稿者:亭主 投稿日:2003/12/31(Wed) 22:07
Illustratorとは全く関係ないのですが………、
大晦日の夜を、日本酒とシャブリを呑みながら、鮭の ひずなます と、鮭とイクラの親子漬け 等を突っついています。
(アッ、貧乏な私は、いつもこんな贅沢をしている訳では有りません、普段の酒の肴はイカの塩辛が有ればそれでもう充分です。少し贅沢を言わせて貰えば、夏はホヤ、冬は牡蠣など有ればもう言うこと無しです。)

横から家内から声が掛かりました。
「それ(ひずなます)って、何のさかな?」
そこで、思慮深い亭主は深い思索におちいりました。
ひず は勿論、鮭の鼻っ面を薄くスライスしたものです。

日本は、例えば「鮭文化圏」と「鰤文化圏」に分けることが出来ます。その境界線は、太平洋側は知りませんが、日本海側に限って言えば、フォッサマグナ(糸魚川-静岡構造線、要するに日本図を見たときに、本州のほぼ中央で縦方向から横方向に折れ曲がっている、そのラインです)を境にして、切り替わるみたいですね。

私の出身県である新潟は、ハッキリした鮭文化圏です。
富山県は、イマイチ記憶がありませんが、石川県の金沢などはもうハッキリした鰤文化圏です。
「蕪寿司」と言う名品がありますが、加賀百万石の歴史を負った、鰤文化の象徴でしょう。

どっこい新潟にも、村上市の、例えば「鮭の酒びたし」なんて絶品が有って、これも鮭文化の一つの象徴でしょう。

ところで、今、紅白歌合戦を横目に見ながら亭主が「深い思索」に陥ったのは、我田引水ながら、鰤に比べての、日本における鮭の文化の深さです(西日本側からの抗議は多いに受け付けます。正月の連休中、多いに議論致しましょう)。

鮭は勿論、生の物を焼いたり煮たりすることも有りますが、捕獲が季節に限定されると言うことも有って、その保存方法のバリエーションが本当に多彩ですね。
最初は単に保存の為のノウハウだったのかも知れませんが、結果的にはそれが味覚のバリエーションに繋がって来たような気がします。

塩引き(この中でも、甘塩だの辛塩だの、本が一冊かけるほどのバリエーションが有りますな、酒びたしなどはその一つでしょう)、燻製(つまりスモークサーモン)、生食(刺身ですが、かって淡水河川で捕獲される魚介の常として、寄生虫の危険がありました、最近は冷凍などの技術で、サーモンの刺身は至ってポピュラーになってきました)。
ひずなます だとか、色々な漬物(発酵食品)にも幅広く利用されていますぞ。

それに比べて、鰤なんか、何ですか。
鰤の照り焼き、うん、これはまあとても美味しい。
鰤大根、これも捨てがたい。
でも、これはみんな調理方法のバリエーションだよな。

今、TVの紅白歌合戦で、テツ&トモが「なんでだろー」を歌っている。
一年の締めくくりにうふさわしい、格調高いテーマで迫った「酒と鮭と鰤」でした。
しかし、もう殆ど、酩酊状態で格調高いテーマもメロメロです。

今年も後2時間、今年もお世話になりました。
又来年も宜しくお願いします。



鰤も勿論良い魚ですが、新潟生まれの亭主としては、「深い思索」の結果、断然鮭に一票です(文句が有ったら聞こうじゃないか)。
ところで、私のお祖父さんは、鮭のことをいつも「アジ」と言っていました。
「鯵(あじ)」と言う魚は別にあって、それはそれとして、とても美味しい魚ですが………、
北海道などでは鮭のことを「秋あじ」と呼んでいるそうですね。何か語源的な因縁があるのでしょうか。

Re: 酒と鮭と、麹と鰤と 投稿者:亭主 投稿日:2003/12/31(Wed) 22:56
>富山県は、イマイチ記憶がありませんが、

今、思い出しました。
富山の氷見は、いわずと知れた然ブリの有名な水揚げ港でした。
やはり富山は鰤文化圏なんでしょうね。
あけましておめでとうございます 投稿者:m_ogawa 投稿日:2004/01/01(Thu) 23:00
お話を読んでいたら思わず昨年のオフ会を思い出しました。
ほろ酔いにさえる論考また楽し(^^)

鮭と関係ないのですが、成田山への初詣の帰りに鰻を食べてきました。
近くに印旛沼があるので(今はもちろんもう鰻は獲れないでしょうが)その関係で
鰻の蒲焼文化(笑)が発達したおかげなのか、とてもおいしかったです。
酒の濁り酒もおいしそうでした。

…うーん、鮭と鰤に全然つながってない(^^;)
ともかく今年もよろしくお願いします!
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