紙の基礎講座(6-3) 知っておきたい紙の基本品質Ⅰ 寸法について

寸法について

紙の寸法は、坪量とともに流通過程上の取引に使用される重要な基本単位です。皿・板・田など平たいものを数える助数詞として「枚」が使用されますが、紙の場合も単位として「枚」が用いられます。その基本になるのが、1枚当たりの大きさを表す「面積」です。

その面積を表すのに紙の縦と横の寸法が必要ですが、紙幅(横)と紙の長さ(縦)を計測して表します。約束ごととして、マシン流れ方向に対し直角な横寸法を先に、その後に縦寸法を表示し、単位は洋紙ではmm、板紙にはcmを用い、小数点1位を四捨五入します。

例えば、枚葉紙(平判)の四六判の場合、横寸法(紙幅)×縦寸法(流れ長さ)として、紙の縦目ならば788mm×1,091mm、横目は1,091mm×788mmと表示します(図3)。

 

図3.紙の寸法表示(横寸法×縦寸法。単位mmは省略)

マシン流れ方向

(縦目)(788×1,091)

 

マシン流れ方向

(横目)(1,091×788)

 

巻取紙の場合は、紙幅(横寸法)の表示は枚葉紙と同じですが、流れ寸法(縦寸法)は( )でくくり区別します。すなわち、788mm ×(1,091)mm と表示します。これは紙幅が788mmで、流れ1,091mmを単位寸法(基準寸法)とした紙が巻き取られていることを示しており、この基準寸法で1000枚分の長さであれば1R巻、7000枚分ならば7R巻となります。

なお、新聞巻取紙の場合は、新聞1枚(4頁)に相当する寸法、幅813mm×流れ546mm(面積0.444m2)を基準寸法とします。そして入数や価格などは、あくまでもこの基準寸法(813mm×546mm)の面積が基本単位となり、この寸法の紙1000枚分を1連といいます。

 

参考

全国紙のような普通新聞のページ大の寸法(基準寸法813×546mm )をブランケット判といいます。また新聞判型の一種で、普通新聞の半ページ大の寸法406×546mm のものをタブロイド判(tabloid paper) といいます。

 

ところで、抄紙機(塗工機を含む)で巻き取られた親巻取紙(ペアレントロールないしミルロール)や分割巻取は、仕上げ工程で何本か組にしてカッターに掛けられ、まずスリッターで縦(マシン流れ方向)に切られ、ついでターニングナイフで横(巾方向)に断裁され規定寸法の平判(枚葉紙)製品に仕上げられます。さらに小さな寸法にする場合には、ギロチン断裁機により断裁されます。

一方、製品巻取は親巻取紙をワインダーで規定寸法幅に両耳部をスリットされ、所定の長さにして仕上げられます。さらに、これらの平判品や巻取品は検紙などを経た後に包装された上、ラベル表示されて出荷されます。

なお、その寸法精度はJISで決められていますが、製紙メーカーでは、それよりも厳しい基準で品質管理され製品が出荷されています。

カッターの機構とその性能からみて、ある程度の寸法のばらつきや断裁紙の四隅の非直角性(菱)は避けられませんが、平判寸法は印刷などを円滑に行なうために、規格通りの矩形を確保する必要があります。

平判には、カッターサイド(紙の流れに直角に断裁…紙の横寸法に相当)とスリッターサイド(紙の流れに平行に断裁…紙の縦寸法に相当)があり、スリッターサイドの長さはかなり寸法精度が良好ですが、カッターサイドはこれよりも劣ります。

ところで、紙の寸法はJIS(B 7516) に規定されている金属製の直尺で測定しますが、JIS P 0202では、紙の原紙寸法の寸法許容差を0~+6mmと規定しています。

市販されている平判品の寸法は、一般的にカッター断裁品で、カッターサイドは定寸~+4mm、スリッターサイドは定寸~+2mmにあり、ギロチン断裁品では、両サイドとも、定寸~+1mmにあります。

また、平判の直角性(四隅の角度、菱)については、90±0.2゜と規定されており、例えば、四六判の長辺(1,091mm)では、±3.4mmの菱が許容されることになりますが、実際には、一般にカッター品で 2mm以下、ギロチン品では 1mm以下に管理されています。

なお、ギロチン断裁仕上げ品の寸法精度はカッター断裁品よりも良いのですが、設備能力面、コスト面から見て一般的に量的な拡大はできません。しかし、カッター断裁精度が印刷機や加工機の許容範囲を逸脱すると見当不良などのトラブルが発生することがありますので、断裁精度の確保が重要となります。そのため高度な見当精度が要求される場合には、トラブル防止のためにあらかじめギロチンでの化粧断ちか、それ並みの寸法精度が必要なことをはっきりさせ、メーカーと話し合い対応することが大切です。

(2006年9月1日見直し・再録)

 


更新日時:(吉田印刷所)

公開日時:(吉田印刷所)