コラム(21) きょうは何の日?「紙の日」は?、その後

4月のトップページ、きょうは何の日?…「紙の日」は?についてですが、「和紙の日(記念日)」制定について、おおやけの場で話題にし、討議することになりそうです。

 

みなさんの中から、「紙の日」は本当になかったのですか。とか、「紙の日」がおおやけにはないようですが、あればよいですね。特にわが国独自で伝統のある和紙について、「和紙の日(記念日)」がないのは寂しいですね、などの反響がありました。そして、

 

①8月4日の「和紙の日」制定は、「ワシ」の語呂合わせで8月4日にするのは安直過ぎるのではないでしょうか。安直に登録しちゃっていいのでしょうか?

②日本橋の小津さんでは、8月4日を「和紙の日」として売り出しをされていますが、勝手に付けた記念日でも、そのうちに定着するかも知れませんね。

③「和紙」は寒漉きが良いなら、大寒の日?とかが「和紙の日」によいのでは。なぜか、8月に和紙って違和感がありますね。

④越前に伝わる一番古い「紙の神」である川上御前がらみで、「神話のある記念日」として「和紙の日」があればよいですね。そしてほとんどの人は、「和紙の日」は伝統があり、長く引き継がれ、わが国最大の越前和紙の紙郷を持ち、紙祖神である川上御前に関係するの日が妥当だと思っているのではないでしょうか。

⑤「紙の日」(紙の記念日)をインターネットで検索しますと、12月16日が「紙の日」となっています。これは生涯に多くの企業の創設・育成に力を入れた実業家・渋澤栄一が1873(明治6)年に日本最初の洋紙会社である「抄紙会社」(後の王子製紙)を設立し、1875(明治8)年には東京の王子村に工場を完成。その年の12月16日に営業運転が開始され、洋紙産業の幕開けとなりました。この日を「紙の日」(紙の記念日)としたわけです。しかし、これもマスコミなどの独り歩きで、わが国の製紙業界からは公認されておりません。

⑥中国の紙漉きの技術が、わが国に伝えられたのが推古皇の18年(西暦610年)春3月であることから、6月10日が「紙の日」として相応しいのではないでしょうか。

⑦記念日登録・制定については日本記念日協会があります。この協会へ申請・登録すると協会の発行する記念日カレンダーに掲載されて公知されるとのことです。しかし、誰が登録するのか。おおやけに認知されないで、登録されると既成事実になりますね。

⑧「紙の日」を決めるに当たって、金銭面の問題が起きたり、営利がらみなどにならないことを願っています。できれば草の根的に盛り上がってくれればと思います。

 

などのご提案やご意見がありました。

 

さらにお二人の方から強力なご賛同をいただきました。

 

おひとりは、今年の6月25・26・27日に東京(日本青年館)で「第30回全国手漉和紙青年の集い 2004東京大会」が開催されますが、その事務局長をされている田村 正さんです。

田村さんからは、「和紙の日(記念日)」について、東京立川市の紙匠「雅」は毎月4日は和紙の日といって売り出しをしています。小津和紙博物舗もおっしゃるように8月4日にしています。

正式な和紙の日が生まれたら面白いと思いますが、かなり議論を呼びそうですね。(「青年の集い」の)参加者の反応は分かりませんが、話だけはしたいと思い、大会運営を心して取り組みたいと思います、とのメールをいただきました。

 

また、もうおひとりは、伊勢和紙の代表取締役 中北喜得さんで、「全国手すき和紙連合会」(会長 長田昌久氏…福井県和紙工業協同組合理事長)の監事もされている人ですが、その方からは、全和連(全国手すき和紙連合会)、つまり業界代表(一応?)で討議して決めれば、事実上決まりですかねえ。しかし、じゃあいつにするの?というのがまとまりますかどうか決めるだけではなく、「映画の日」ぐらいの実効性があると、世間にも広まりますね、とのご返事をいただいています。

 

そして中北喜得さんも「青年の集い」に参加されるとのこと。また、「青年の集い」の応援組織として、「手漉和紙青年の集い2004東京・サポートネットワーク」(略称:和紙ネット東京)がありますが、そのメンバーに「(財)紙の博物館」等多数参加されていますので、是非、「第30回全国手漉和紙青年の集い 2004東京大会」を大いに盛り上げ、討議・方向づけをされ、さらに「全国手すき和紙連合会」でも協議され「和紙の日(記念日)」が制定されることを期待しているところです。

 

本来、私も身が健全ならば、「青年の集い」に参加させていただくのですが、残念です。

 

どう決着され、どう決定されるか分からないところがありますが、すぐに決まらなくても、煮詰めながら一歩一歩進めばよいと思います。楽しみですね。みなさんも注目され、応援をお願いいたします。

 

世界に誇れる「和紙」。「和紙の日(記念日)」が、本当にあってもいいですね。

 

「第30回全国手漉和紙青年の集い 2004東京大会」の成功を祈ります。また、これからの和紙業界の発展と進化を祈念いたします。

(2004年6月6日)

 

ここで関連ホームページを紹介しておきます。

 

なお、「紙の日」には「和紙の日(記念日)」と「洋紙の日(記念日)」とが別にあってもよいと考えますが、いかがでしょうか。


更新日時:(吉田印刷所)

公開日時:(吉田印刷所)