コラム(42) 「もったいない」と三つのR

「もったいない」は、昔からある日本語ですが、昨年(2005)2月に来日したアフリカ人女性初のノーベル平和賞受賞者、ワンガリ・マータイさんによって、脚光を浴びました。

 

ワンガリ・マータイ(Wangari Maathai)さんは、それまでに3000万本にのぼる植樹を行った「グリーンベルト運動」の創設者であり、アフリカで27年間にわたり植樹活動を続けてこられた。その活動以外にも、女性の位向上、貧困の解消、平和確立などの活動で貢献し、2004年にノーベル平和賞を受賞されました。

 

来日した際、「もったいない」という言葉を知って感銘を受け、環境問題を考えるときに、もっとも理にかなった言葉であるとして、日本語の「もったいない」(Mottainai)を世界に広めることを決意したそうです。

ケニアの環境副大臣でもあるワンガリ・マータイさんは、三つのR(3R)、すなわち「Reduce(リデュース)」(ごみ発生抑制)、「Reuse(リユース)」(再使用、もう一度使う、繰り返し使う)、「Recycle(リサイクル)」(使用が終わったものを、もう一度原料に戻して再生利用する)」を提唱していますが、この頭文字てある「三つのR」をたった一言で表しているのがこの「もったいない」という言葉だとして、その精神に感動。環境保護の「世界語」として広めようと取り組んでいます。

 

そしてマータイさんは、国連の「女性の位委員会」閣僚会合で演説し、日本語の「もったいない」を環境保護の合言葉として紹介し、「女性達による『もったいない』キャンペーンを展開し、資源を効率良く利用しましょう」と訴えられ、会議の参加者とともに唱和したそうです。

 

参考

日々、実行する球環境に大切なエコライフ行動として、上記の「3R」に加えて、4Rとか、5Rで言うこともあります。「4R」とは、一般的にRefuse(リフューズ)、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)のことを言います。また、「5R」は、これにRepair(リペアー)を加えます。それぞれの意味は次のとおりです。

 

意味説明
①Refuse(リフューズ) 断る 要らないものは、買わない、もらわない⇒買物袋を持参することも効果的。
②Reduce(リデュース) 減らす(ごみ発生抑制) 買う、使う量を減らす、必要分だけ買う⇒資源の使用量やゴミの発生量を減らす(ごみ、環境負荷低減)。
③Reuse(リユース) 再使用する(再使用) そのままのかたちでもう一度使う、繰り返し使う。
④Repair(リペアー) 修理する 簡単に捨てないで、修理・修繕しながら長く使い続ける。
⑤Recycle(リサイクル) 再生利用する 使用が終わったものを、分別・回収し、もう一度原料に戻して、新たな製品を生み出し資源として再利用する(再資源化)。

 

実践しよう!、「もったいない」の心

すっかり「もったいない」の心を失ってしまったともいえる大量生産・大量消費・大量廃棄型社会を経て、環境と調和した経済社会システムを構築することの重要性を知った現代の日本人。忘れかかった「もったいない」の精神を取り戻しつつあります。

ワンガリ・マータイさんが言われた「日本人は物を大切にし、日本の環境保護はとても進んでいる。これは『もったいない』という気持ちが日本人にあるからだ」のように、限りある球資源を守るためには、「もったいない」の心が大切です。そしてその心で持って、資源の有効利用、廃棄物の発生の抑制および資源の循環を図ることが必要です。

私達の日常生活の中で残念ながら、ゴミを全く出さずに生活をすることはできませんが、少しでも減らすことはできます。

捨てればただのゴミ。しかし、分別・回収すれば資源となります。実践しましょう、「もったいない」の心。

(2006年2月1日)

 

参考・引用文献

  • ホームページ☆ワンガリ・マータイ(Wangari Maathai)☆

 


更新日時:(吉田印刷所)

公開日時:(吉田印刷所)