包装用紙の生産量推移
表4に包装用紙の生産量推移を掲げます[日本製紙連合会「紙・板紙統計年報」、日本製紙連合会 統計資料から抜粋]。
品種 | 2004年 | 05年 | 06年 | 07年 | 08年 | 前年比 |
未晒包装紙 |
598 (62.0%) |
608 (62.4%) |
596 (61.2%) |
611 (61.5%) |
621 (61.5%) |
101.7% |
重袋用両更クラフト紙 | 352 | 363 | 353 | 365 | 369 | 101.2% |
その他両更クラフト紙 | 207 | 208 | 209 | 206 | 214 | 104.0% |
その他未晒包装紙 | 39 | 37 | 40 | 41 | 39 | 95.0% |
晒包装紙 |
367 (38.0%) |
367 (37.6%) |
378 (38.8%) |
383 (38.6%) |
389 (38.5%) |
101.5% |
純白ロール紙 | 84 | 83 | 88 | 91 | 89 | 97.8% |
晒クラフト紙 | 218 | 225 | 229 | 233 | 247 | 105.7% |
その他晒包装紙 | 65 | 60 | 61 | 59 | 54 | 90.9% |
包装用紙合計 |
965 (5.1%) |
975 (5.2%) |
973 (5.1%) |
993 (5.2%) |
1,010 (5.4%) |
101.6% |
紙合計 | 18,788 | 18,901 | 19,002 | 19,192 | 18,826 | 98.1% |
包装用紙の年間生産量はおよそ100万tで、紙(洋紙)全体の約%5%を占めております。ちなみに2008年の生産量は表3のように約1,010千tで、紙全体の5.4%を占めています。伸び率では紙全体が前年比98.1%で減少しているのに対し、包装用紙は101.6%と伸びています。品種では未晒包装紙、晒包装紙とも増加しておりますが、さらに細かく見るとは重袋用両更クラフト紙、その他両更クラフト紙や晒クラフト紙がプラス品種で、その他未晒包装紙、純白ロール紙およびその他晒包装紙がマイナスです。
包装用紙の生産内訳は、およそ未晒包装紙が61.5%、晒包装紙38.5%で未晒包装紙、晒包装紙ともここ数年あまり変わりなく推移しています。また包装用紙の中で重袋用両更クラフト紙、その他両更クラフト紙および晒クラフト紙の合計生産量は大きく全体の約82%を占めていますが、これらは08年の前年比でもプラスであり今後とも包装用紙の主役であるといえます。
しかし、浮き沈みがあり、かつては重袋用両更クラフト紙は流通の花形でしたが、セメント、肥料などのバラ積み・バルク輸送への移行による包装化率の低下や、コストダウンなどによるポリエチレンなど他素材への転換、紙袋の軽量化などによる生産減、需要減を経験しました。このように包装用紙は産業用途が主体であるため、需要は景気の動向や合理化、環境保護問題などに左右されることが多く、長期的には減少傾向にあると思われます。しかし紙の持っている良さなどにより改善され、新製品も生まれ今後とも根強く生き延びていくものと考えられます。
(2009年5月1日)
参考・引用文献
- 社団法人 日本包装技術協会 平成19年日本の包装産業生産計画出荷統計
- 日本製紙連合会「紙・板紙統計年報」、日本製紙連合会 統計資料
- 日本海新聞 2005年8月5日付「一日一笑」
- JISハンドブック「紙・パルプ」紙・板紙及びパルプ用語(日本規格協会発行)
- 紙の博物館「百万塔」131号 上床恒弘著「我が国のクラフト紙事業の変遷」(08年10月刊)
- 「紙の文化事典」(総編集)尾鍋史彦(朝倉書店、2006年3月発行)
- 「紙パルプ2005 50年史と近未来」紙業タイムス社(2001年2月刊)