巻取紙に関する算出式(公式)を次に示します。なお、日本洋紙板紙卸商業組合「紙業提要」から整理、まとめました。
新聞巻取紙やオフ輪用塗工紙、トイレットペーパーあるいはフィルムなど巻取紙(ロール紙)の直径を算出したり、巻込みの長さなどを求めてみましょう。
注
なお、以下の算出式は理論式であり、しかも巻取りが十分固く巻かれ、空隙がない状態の計算式です。実際にはこのように巻けないので、多少の補正が必要です。
記号 | 説明(単位) |
---|---|
L | 巻取紙の全長(m) |
D | 巻取紙の外径(m) |
d | 紙管(巻芯)の直径(m) |
t | 紙厚(m) |
n | 円周率=3.1416 |
S | 坪量(g/m2) |
RW | 巻取紙の実重量(kg) |
CW | 紙管、包装ワンプ等の重量(kg) |
W | 巻取紙の実重量(RW-CW)(kg) |
w | 巻取紙の幅(m) |
項目 | 算出式 |
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(1)巻取紙の直径を算出する計算式…所定の紙管に、所定の厚さの紙を所定の長さを巻いた場合、巻取の外径を算出する方法 | |
(2)紙の厚さから巻取紙の全長を算出する計算式…所定の紙管に、所定の紙厚の紙を巻いた巻取の外径から、その巻込みの全長を知る方法 | |
(3)重量から巻取紙の全長を算出する計算式…所定の紙管に巻いた所定の坪量の巻取から、その巻込みの全長を知る方法 | L=(RW-CW)×1000/Sw |
(4)所定の紙管に所定の坪量の紙を、所定の長さを巻いた場合の巻取の総重量を知る方法 | RW=CW+Sw×L/1000 |
解説
巻取紙(ロール紙)の断面に注目しましょう。右図(ホームページSIGNWEBサインウェブ 巻取紙の計算式から引用)のような巻取紙の断面において、紙管(巻芯)とその外側に巻かれている紙層(着色部)を示します。そうしますと、次の関係が成り立ちます。
紙断面積=巻取断面積-紙管断面積
紙断面積(紙層着色部)をSとしますと、巻取紙の外径D、紙管(巻芯)の直径dですので、
S=π(D/2)2-π(d/2)2 となります。
一方、巻取紙の全長L、紙厚tですので、巻取紙全長×紙厚=L×t=紙断面積Sが成り立ちます(下図参照)。
紙断面積S(L×t)
したがって、これらの関係から次の式が成立します(ただし、πは円周率を表す)。
S=π(D/2)2-π(d/2)2=L×t
これから、次のように巻取紙の長さLや巻取紙の直径Dを求めることができます。
このように基本に立ち返って考えると、わざわざ公式を憶えなくても求めることができます。以下、割愛しますが、トライしてみてください。実際の計算に当たっては単位や数値の桁、小数点などに気をつけてください。
(2007年10月1日)