コラム(70) 〈資料〉 巻取紙に関する算式

巻取紙に関する算出式(公式)を次に示します。なお、日本洋紙板紙卸商業組合「紙業提要」から整理、まとめました。

新聞巻取紙やオフ輪用塗工紙、トイレットペーパーあるいはフィルムなど巻取紙(ロール紙)の直径を算出したり、巻込みの長さなどを求めてみましょう。

 

なお、以下の算出式は理論式であり、しかも巻取りが十分固く巻かれ、空隙がない状態の計算式です。実際にはこのように巻けないので、多少の補正が必要です。

 

記号説明
記号説明(単位)
L 巻取紙の全長(m)
D 巻取紙の外径(m)
d 紙管(巻芯)の直径(m)
t 紙厚(m)
n 円周率=3.1416
S 坪量(g/m2)
RW 巻取紙の実重量(kg)
CW 紙管、包装ワンプ等の重量(kg)
W 巻取紙の実重量(RW-CW)(kg)
w 巻取紙の幅(m)

 

巻取紙に関する算出式
項目算出式
(1)巻取紙の直径を算出する計算式…所定の紙管に、所定の厚さの紙を所定の長さを巻いた場合、巻取の外径を算出する方法  
(2)紙の厚さから巻取紙の全長を算出する計算式…所定の紙管に、所定の紙厚の紙を巻いた巻取の外径から、その巻込みの全長を知る方法  
(3)重量から巻取紙の全長を算出する計算式…所定の紙管に巻いた所定の坪量の巻取から、その巻込みの全長を知る方法 L=(RW-CW)×1000/Sw
(4)所定の紙管に所定の坪量の紙を、所定の長さを巻いた場合の巻取の総重量を知る方法 RW=CW+Sw×L/1000

 

解説

巻取紙(ロール紙)の断面に注目しましょう。右図(ホームページSIGNWEBサインウェブ 巻取紙の計算式から引用)のような巻取紙の断面において、紙管(巻芯)とその外側に巻かれている紙層(着色部)を示します。そうしますと、次の関係が成り立ちます。

紙断面積=巻取断面積-紙管断面積

紙断面積(紙層着色部)をSとしますと、巻取紙の外径D、紙管(巻芯)の直径dですので、

S=π(D/2)2-π(d/2)2 となります。

一方、巻取紙の全長L、紙厚tですので、巻取紙全長×紙厚=L×t=紙断面積Sが成り立ちます(下図参照)。

紙断面積S(L×t)

したがって、これらの関係から次の式が成立します(ただし、πは円周率を表す)。

S=π(D/2)2-π(d/2)2=L×t

これから、次のように巻取紙の長さLや巻取紙の直径Dを求めることができます。

 

このように基本に立ち返って考えると、わざわざ公式を憶えなくても求めることができます。以下、割愛しますが、トライしてみてください。実際の計算に当たっては単位や数値の桁、小数点などに気をつけてください。

(2007年10月1日)

 


更新日時:(吉田印刷所)

公開日時:(吉田印刷所)