5.結び
以上、紙パルプ産業における環境保護への取り組みについて、状況を説明した。
地球環境保護のために「森林保護」問題はますます重要になって行くであろう。その中で将来の「紙」原料を確保し、紙の安定供給のために「地球に優しい」産業として、公害対策はもちろん、温暖化防止など地球規模の環境対応とした森林の育成(造林・植林)、古紙再生化、省資源化、非木材パルプ使用などを今後とも積極的に、かつ強力に進める必要がある。
製紙原料として木材を使用しているため、紙パ産業は「森林を破壊する元凶」であるとか、天然木材を原料に使っているように思われているが、決して紙パ産業は森林を破壊する元凶企業ではなく、古紙の再生も世界のトップクラスであるように、むしろ環境に優しい節約・リサイクル型の産業であるといえる。
この中で、さらに品質・安全性・PL法対応など安心して使用してもらえる製品(商品)作りに努めているところである。
資源保護および再生化は一時のブームではなく継続して実行されなければならない永遠のテーマであり、廃棄物を出している一人ひとりの実行項目であり、企業の責務であると考える。
「紙」、余りに身近にあり過ぎてその存在と貴重さが忘れがちになりやすいが、文化発展と市場対応のためにこれまでに果たしてきた役割は大きい。
今後とも、この重要な使命を果たしていかなければならない。「紙」の次には何が来るのか。紙は電子メディアによって駆逐され、無くなるのではないかといわれる。しかし、お互いにメリットがあり、特徴があるし、競合しながらも補完して、棲み分けていくものと考える。紙がこれからも生活に密着し、地球環境に優しく、かつ技術開発を続ける限り、将来とも紙の存続と進展は可能である。
「紙」の進歩、発展のためには、製紙メーカーばかりでなく、関係するすべての人達の、各持ち場において、一層の理解と努力、そして相互の連携と協力が必要であると考える。
これからも環境に優しい「紙」、および「紙パルプ産業」を育てていくのだという前向きなご意見とご指導をお願いし、かつ、「紙」に愛着を持つ身として紙と皆さんの、ますますの発展を確信して終わりたい。
以上