紙・板紙の基準となる重さは、坪量(つぼりょう)と呼び、単位面積あたりの質量です。すなわち、紙の面積と質量を測定し、単位はg/m2で表記します。以前は1尺(30.3cm)平方あたりの紙1枚の重さ(目方・質量)を計り、それを「尺坪」として表していましたが、1959年にメートル法が施行されてから、1m2あたりの紙1枚の重さを単位にするようになり、別名で「米坪」[「メートル坪」ないし「べいつぼ」と読みます]というようになりました(JISでは坪量と表現)。
坪量は、紙の基本品質であり、特に紙の製造管理および商取引き上からも、寸法とともに重要な項目です。
坪量は、ー定の温度・湿度条件のもとで測定するように、JIS P 8124に決められていますが、紙の製造管理のために、抄紙機上では、BM計[Basis weight/Moisture(坪量・水分)計]によりオンラインで絶乾米坪 (Bone Dry,BD)、および水分の測定とコントロールがされており、紙のマシン流れ方向・幅方向の変動を制御し、定められた坪量範囲でかつ定量を下回ることのないように管理が行われております。
紙の連量とは
ところで、紙の価格は質量当たりで設定されていますが、商取引き上では実際には、面積を基準にした枚・連などの単位で取引きされます。
紙代理店・卸商等の大口取引きや、比較的まとまった数量で取引きされる汎用的な印刷用紙では、ー般的に連を単位とすることが多く、末端の小売店で売買されるときや、ファンシーペーパー、画用紙など特殊用途の紙ではしばしば枚数単位が用いられています。
ここで、「連」とは、紙および板紙の取引き上の枚数単位で、英語の「Ream」が語源です。わが国では平判の場合は、基準(規定)寸法に仕上げた紙1000枚、板紙の場合は100 枚を、また巻取の場合は基準寸法の紙1000枚分、板紙は100 枚分を、それぞれ1連(Rで表示)といいます。そして1連の紙(板紙も)の質量を「連量」といい、わが国ではKgで表し、Kg当たりの価格を決めて取引きされております。
なお、紙の場合の連量は次式により算出されます。
また、巻取紙の場合も平判のときと同様です。
なお、板紙の場合は100 枚で計算。また、連量数値は、洋紙…◇、板紙…△の中に表示します。
例えば、洋紙の場合、四六判(788×1,091mm)の連量表示<55>は坪量64g/m2、以下<63>…73.3g/m2、 <68>…79.1g/m2、<70>…81.4g/m2、<73>…84.9g/m2、<90>… 104.9g/m2、 <110>… 127.9g/m2、 <135>… 157.0g/m2、 <160>…186.1g/m2、 <180>… 209.4g/m2 となります。
注
なお、連数とか入数という表示、表現がよく使われますが、連数とは1連を基本単位とした数のことで、例えば、洋紙 5,000枚の連数は 5連、板紙 3,500枚は35連といいます。
また、平判の場合、使いやすさ、持ち運びのしやすさなどを考慮して1連を1/2、1/4、1/5、1/8 とか区切りのよい単位に包装されます。この包装単位を「包(つつみ)」といいますが、この包単位で梱包された製品を連包装品といい、これに対して、パレット包装品がありますが、これは何連分もの紙ないし板紙をひとまとめにし、パレット単位で包装、梱包された製品をいいます。一般的に、大口使用の場合には、パレット包装品での納入が多く行われます。
また、入数とは、主に巻取紙に使われる用語で、巻取1本に巻き込まれている総連数をいいますが、出荷される巻取の長さは、言い換えれば、巻取の径は、製紙会社の設備上、輸送上の制約や流通段階での保管上、印刷会社での印刷機の制限、用途等により経済的に最大限(上限)が決められております。