ご質問
製紙業界や印刷業界で、紙を包装している包装紙のことを「ワンプ」と呼んでいますが、この「ワンプ」の語源を知りたいのですが?。
(T.Yさん)
回答
ご存知のように、製紙工場から出荷される紙を包装している包装紙を「ワンプ」と呼んでいます。「ワンプ」の英語名は、mill wrapperですが、この「wrapper」(ラッパー)と関係ありそうですが、はっきりした語源については分かりません。
何気なく使っている言葉ですが、申し訳ありません。逆に分かりましたら教えていただけたらと、返信。
この後、質問者から「ワンプ」を、たまたま包装用語辞典で見たところ下記のようでした、とメールがありました。それによりますと、「ワンプ(Mill wrapper)…印刷・製紙工場などで紙製品の包装に用いられている低級包装紙の俗称。語源は明らかでないが、包むことを意味するWrapping(ラッピング)がなまったものではないかという説がある」。さらに「平判の1連ずつをワンプ紙という包装紙に包んでから、1/4t内容のもの積み重ねて1締めに板締めして帯鉄をかける」とあります。以上のようなことから、語源はワンウェイ ラッパー(Oneway wrapper)等が訛ったのではとも思います。いかが思いますか?、言うものです。
これに対し、ワンウェイにも、メーカーが回収しない容器や包装という意味もありますので、言われるように語源は、ワンウェイ ラッパー(oneway wrapper)等が訛ったのではないかとの説に同意できます、と返事をしました(2002年12月19日)。
その後、インターネットでの検索で、「ワンプの由来」として、ワンプは海外から日本に渡ってくる時、「Wrap=包むの意味」を間違って記録しワンプと言う造語が日本に広まり定着したとありました(株式会社 丸和印刷のホームページ丸和丸の■丸和丸■紙の種類から引用)
以上から、「ワンプ」の語源は、英語の
- 「Wrap」を間違って記録しワンプと言う造語が定着したもの
あるいは
- wrapping、wrapperやoneway wrapperなどがなまったもの
という説が考えられます。
注
ラップ(wrap)は「包む」の意で、wrapperは包むもの(包装紙など)のこと。
(2005年10月1日)
なお、皆さんの中で「ワンプの由来・語源」についてご存知のかたはお知らせください。
注
「ワンプ」は外傷や湿気、日焼けなどから紙を守るために使われる包装紙の総称で、製紙工場などで平判や巻取の紙製品の包装に用いられています。多くは紙表面に防湿としてロウ引きなどがしてあります。
なお、板紙の品種分類表(日本製紙連合会編)の中に、その他板紙として「ワンプ」があります。そして古紙を原料として抄合され、紙・板紙の包装用に用いられるもの(平判および巻取)、と説明されています。
また、洋紙の品種分類の一つに、包装用紙(英語でwrapping paper)があります。これは米麦やセメントなどを入れる重袋(じゅうたい)用や、その他の両更(りょうざら)クラフト紙、さらしクラフト紙、純白ロール紙などをさし、袋用、包装用に用いられる紙の総称のこを言います。