ご質問
突然のメール失礼いたします。東京大学工学系研究科建築学専攻の博士課程に在籍する北垣亮馬と申します。中嶋様のWEBサイトを拝見いたしまして、紙パルプ産業における環境保護への取組みの文章に非常に興味を持ちました。
特に、私は低質材という概念はあまり聞きなれず知りたいと思っております。私自身は木材の専門ではありませんが、建築を志すものとして後学のため、参考文献などを知りたいと思ったのですが月刊誌「コンバーテック」のバックナンバーが入手困難なため知ることが出来ません。よろしければ文章中の以下の数字(低質材の割合)の引用元についてお教えいただけませんでしょうか。
引用元を知りたい箇所は「製材、建材や合板に不向きな細い木(小径木)や曲がった木などの天然林低質材48%、製材時の残材34%、人工林低質材12%、植林木を育てるために必要な間伐材5%、木材家屋の解体材、風雪などの被害材や古材等1%」であり、重ね重ね、失礼とは思いますがお答えいただけたら幸いに存じます。よろしくお願いします。
(R.Kさん)
回答
お答えいたします。ご質問の引用元は、日本製紙連合会発行の資料、機関誌「紙・パルプ」の特集号「紙・パルプ産業の現状」です。WEBサイトにある「紙パルプ産業における環境保護への取組み」に載せている数値は、特集号にあるデータを計算し直したものです。なお、記載値は1995年分で古くなっておりますので、必要なら最新資料で見直す必要があります。
この特集号は毎年、データが更新され、5月ごろに発行されますので、東京都中央区銀座にある日本製紙連合会 広報部(Tel 03-3248-4801、Fax 03-3248-4826、メールinfo@jpa.gr.jp)に連絡されたらよいと考えます。
そして「パルプの原料となる木材の構成比」(国産材、輸入材、およびその合計)の新しい資料や天然林低質材、古材などの内容・意味、その他を依頼されたらよいと思います。
また、他にも「森林はパートナー」とか、「紙のこころ」などの小冊子にも参考となるデータが載っていますので、それらも送ってもらわれたらよいとおもいます。
(2005年4月14日)
早速、R.Kさんから、「面識のないものにもかかわらず、大変丁寧な返事をいただきまして、誠にありがとうございます。さっそく問い合わせてみます。ありがとうございました」とお礼の返信がありました。
なお、日本製紙連合会にはR.Kさんの質問内容を連絡し、相談があった場合の協力をお願いしましたが、そのときの日本製紙連合会Y.Nさんからの返信(抜粋)です。
「今回のR.Kさんのご質問のように、たしかに“低質材"という概念は、紙・パルプ業界が勝手に都合よくつけたものですから、一般の方には馴染みのないものと思われますが、「他に利用されない」ものとかほんの少し注釈を加えるとわかっていただけると思います。私は、りんごとかみかんのジュースを喩えにして、形のいいものは果物として売り、形の悪いものはジュースとして供給しているように、木も大きくて形のいいものは製材として使われ、小さいものや形の悪いものは紙の原料にしたり燃料として使っていると説明しています。当会で昨年に行なったシンポジウムのビデオをR.Kさんにお送りします。