ご質問
突然のご質問で恐縮です。私、木材団体の職員ですが、地球温暖化防止のために国産材利用を進める観点から、間伐材紙の印刷物や名刺などを普及させたいと思います。
そこで、間伐材紙に使われる国産材丸太の材積を計算してみようと思いますが、以下のような計算式でよろしいのでしょうか?また、歩留係数をどのように考えれば良いのでしょうか?お教え願います。
- 計算式…国産材丸太の材積=面積(m2/枚)×坪量(g/m2)×国産材パルプ配合率÷歩留係数÷容積密度(g/cm3)
- 前提…A4判(縦21cm、横297cm)、坪量81.4g/m2、国産材パルプ10%、再生パルプ90%、容積密度は国産針葉樹=0.35
- 使用国産材丸太の材積…0.21×0.297×81.4=5.076918g/枚、5.076918g/枚×国産材パルプ配合率0.1×パルプ原単位0.9÷歩留係数0.45÷容積密度0.35=2.9cm3
したがって、A4判1枚に約3cm3の国産材丸太を使用することになる。
[なお、パルプ原単位0.9と歩留係数は0.45は貴ホームページのFAQ32の回答を参考にさせて頂きました]。
(HTさん)
回答
ご質問についてお答えします。
(1)国産材=間伐材(針葉樹)ということ
この計算式で良いです。ただ、この中で再生パルプ90%に、果たして国産材、しかも間伐材が使われていないのか、判りにくく疑問が残りますので、前提条件で断っておいたほうがいいかもしれません。なお、このことは当該間伐材紙を生産している製紙メーカーに確認しておいたほうがよいと考えます。
(2)歩留係数をどのように考えれば良いのでしょうか?
については、パルプの歩留係数0.45は上質紙などに使われる化学パルプの数値です。新聞用紙に用いられる機械パルプの歩留係数は、0.90~0.95です。歩留係数はパルプを造るときの蒸解、漂白などの処理程度によって異なりますので、適用される紙の種類、すなわち使用されるパルプの種類を決め、その歩留係数を使われたほうがよいと思います。また、パルプ原単位も0.9は上質紙に適用されるもので、新聞用紙はほぼ1.0、塗工紙はアート紙、コート紙等のグレードによって違いますが、およそ0.7(コート紙)でいいと思います。
ご質問者からのご返信
早速のご丁寧なお答えありがとうございました。取り急ぎ、お礼申し上げます。