「和紙」への旅が始まった。
和紙に関心、興味を持ち始めてからもう10年くらいになろうか。次第に興味津々となり、「和紙」に関する雑誌・書物・文献などを探しては買い集めたり、図書館に行っては借りて、見たり読んだりしてきました。まだ、それは続いております。
この間に、かつて人間国宝であった安部榮四郎氏(故人)を記念して造られた「安部榮四郎記念館」を妻と一緒に訪れたのが1994年5月の連休でしたが、この一度だけで実際に古来からある「和紙」の漉き場に行ったことはありませんでした。
参照ウェブ
それから5年後の1999年4月末から5月初めにかけ、定年前のリフレッシュ旅行で美濃和紙(岐阜県美濃市)、越中和紙(富山県八尾・五箇山)、越前和紙(福井県今立)、石州和紙(島根県津和野)の地を、やはり妻と一緒に訪れました。
洋紙を作り、販売する製紙メーカーに勤めて36年余りになりますが、和紙作り(手漉き)を体験したのはそのときが初めてです。
なかなかうまくいきませんでしたが、機械抄きと違い、より人(個人)の心と技が大事だなあと感じました。
その後も、再度、越前和紙の里、今立町を訪問し(2000年6月)、人間国宝になられる直前の九代目、岩野市兵衛氏と再会、あらためて紙漉きのポイント、心配りについてお話を伺いました。
また、2000年11月には小川和紙(埼玉県小川町・東秩父村)と、軍道和紙(東京都あきる野市)を訪れました。
わが国で生まれ、育まれた「和紙」は、明治の初めに到来した「洋紙」に次第に量的にも追い越されてきましが、今日、逆境を乗り越え、和紙の持つよさを生かして、それぞれの紙漉き場で生きる道を探り、一条の光明、明るさを見出そうと強い意欲が感じられます。
長い歴史をもつ和紙、長く引き継がれてきた和紙、これからも永く生き延びてほしい和紙。その紙漉き場を訪れ、実際に触れていきたい。
そんな思いで、これらについて纏めてみたい。
(2001年7月22日記載)
参照ウェブ
- 出雲民芸紙 Japanese Native Paper
- 出雲民芸紙業協同組合
- Abe Eishiro Memorial Hall(人間国宝 故安部榮四郎記念館)