八尾[町] やつお
世界大百科事典(第2版 CD-ROM版)…日立デジタル平凡社発行から
富山県南部,婦負(ねい)郡の町。人口2万2313(1995)。神通川の支流井田川の上流域,飛舞高地北縁の山地が富山平野に接するところにある。中心集落の八尾は井田川の河岸段丘上にある谷口集落であったが,1636年(寛永13)真宗聞名(もんみょう)寺の門前町として町立てされた。毎月2・5・8の日に九斎市が立ち,婦負地方の中心であった。富山売薬の包装に用いられた八尾和紙の製造も売薬の普及とともに盛んになった。町域の 8割は山林であるが,米作,野菜栽培が行われ,1960年の機械工業センター誘致後は工業開発も進んでいる。毎年 9月1~3日は〈風の盆〉といい,この地発祥の《越中おわら節》が歌われ,町中総出で盆踊が行われる。八尾和紙は民芸品として現在もつくられる。高山本線が通じる。
千葉 立也 (c) 1998 Hitachi Digital Heibonsha, All rights reserved.
越中おわら節
世界大百科事典(第2版 CD-ROM版)…日立デジタル平凡社発行から
富山県婦負(ねい)郡八尾(やつお)町で毎年9月1日から3日間行われる〈風の盆〉にうたわれる歌。〈風の盆〉は豊年を祈って風の神を鎮める祭。3日間町中は《越中おわら節》の総出の踊りに明け暮れする。歌詞中に曲目名の由来でもある〈オワラ〉というはやしことばを伴い,かん高いうたい出しで,うたいこなすのがむずかしい。伴奏の胡弓の音がよくマッチし,踊りの振りも美しい。
仲井 幸二郎 (c) 1998 Hitachi Digital Heibonsha, All rights reserved.