割りばしのリサイクル、紙に再生(10年以上で回収100トン)-鳥取県倉吉市「丸十」
(出所)毎日新聞 2009年5月29日付(地方版)、!!- 株式会社 丸十 -!!
◇ティッシュペーパー換算で15万箱分
◇活動根付き210団体協力
鳥取県倉吉市秋喜の業務用厨房備品卸売会社「丸十」が回収した使用済みの割りばしが100トンの大台に達した。ティッシュペーパーに換算すると約15万箱分もの紙に再生されたことになるという。割りばしリサイクル活動は97年から続けてきた。岡野稔社長(62)は「リサイクルは意識しすぎると続かない。みんなが当たり前のこととしてやってきたことが100トンにつながった」と振り返る。
活動は、同社が割りばしを納入している県内の飲食店や旅館などに呼びかけて始まった。これまで約210団体が協力してきた。回収した割りばしは、専門の工場でチップに加工した後、米子市の王子製紙米子工場で紙に生まれ変わる。
割りばしだけを選別するのに手間がかかり、当初はなかなか理解してもらえなかった。スプーンや残飯が混ざっていたこともあった。金属のスプーンはチップに加工する機械の故障につながるため、丸十の社員が手作業で取り除いたという。
10年以上かけて活動は根付き、今では水で洗って用意してくれている店もある。納入先だけでなく、近隣の民間企業からも使用済みのはしが持ち込まれるようになった。
環境問題への意識の高まりから「マイはし」を持ち歩く人が増えているが、国内では年約250億膳の割りばしが使われている。使い捨てのマイナス面ばかりが取りざたされるが、かつては建築材や紙として使えない木材を使うことで国内林業の一端を担っていた。
木材の自給率は今や20%にまで落ち込み、約250億膳も95%を輸入に頼っている。岡野社長は「割りばしを通じてリサイクルだけではなく、林業のあり方も考えてほしい」と話す。丸十は使用済み割りばしの持ち込みも受け付ける。
参考
- 鳥取県米子市にある王子製紙米子工場は、1992年4月から使用済みの割り箸を紙に再生する運動を社員食堂で始めました。これは「もったいない」という気持ちから生まれました。
- 日本で使用されている割り箸は年間約250億膳(1人当たり200膳)。
- 割り箸10kg(約2,500膳)でボックスティシュ15箱、割り箸3膳(6本)ではがき1枚、またはA4サイズのコピー用紙1枚になります。
- 王子製紙全体では2007年度の割り箸回収量は、455トン。
(2009年7月1日)
引用資料
- ホームページ!!- 株式会社 丸十 -!!
- ホームページ王子製紙株式会社|文化・社会活動 > 割り箸回収活動、割り箸リサイクルのしくみ