減る出版社…昨年度末4000社割れ、創業わずか9社
(出所)朝日新聞(2009年7月5日付)、asahi.com(朝日新聞社)
国内の出版社数が、08年度(09年3月)末現在で、30年ぶりに4千社を割ったことが、出版年鑑などを発行する出版ニュース社(本社・東京都千代田区)の調べで分かった。創業した出版社の数も戦後はじめてのひとけた台に減り、出版不況を裏付ける現状が明らかになった。
出版社数は、08年度末で3979社。79年度の4092社からずっと4千社台を維持し、97年度には4612社まで増えたが、その後は倒産・廃業が増え、低落傾向が続いていた。
また、08年度に創業した出版社は9社にとどまった。戦後は、まだ混乱期だった48年度の95社が最も多く、78年度まで毎年32~83社で推移してきた。それ以後は減少傾向が続き、07年度は19社にまで落ち込んでいた。
出版ニュース社の清田義昭代表は「先の見えない出版業界の現状が数字からも分かる。低落傾向はしばらく続くかもしれない。多様な出版、多様な言論が衰退していく危機感を感じている」と話している。(西秀治)
(2009年8月1日)