二十世紀梨にかける熱意伝える 古い包装紙見つかる…鳥取県鳥取市
(出所)二十世紀梨にかける熱意伝える 古い包装紙見つかる -日本海新聞(2009年10月06日)
鳥取県特産の二十世紀梨を世に広めようと、出荷用に使ったとみられる古い包装紙が鳥取市内の民家で見つかり、鳥取二十世紀梨記念館(倉吉市駄経寺町)で展示されることになった。鮮やかな黄緑色の紙に、文字や絵を組み合わせた斬新なデザインで、当時の園主の熱意を伝えている。
民家で見つかった古い包装紙=鳥取市内
見つかったのは、包装紙3枚。大きさは24センチ四方で黄緑色の紙製。2種類あり、それぞれ「梨」「鳥取二十世紀」「千代果物組合」の文字や梨の絵が印刷されている。
右下には「紅緑園・八頭郡智頭町」「福田晃月園・岩美郡津ノ井村」の果樹園名が印字してある。大正から昭和初期にかけて二十世紀梨栽培の技術導入や販路拡大に努めた同業組合「互華園」(のちに「千代果物組合」と改名)を構成した2園が、出荷用に使った包装紙とみられる。
同市西町の上田勝俊さん(64)が、自宅の物置を整理中、缶詰のラベルなどが入った箱の中から見つけた。「二十世紀梨の歴史を物語る包装紙。世に出すように授かった」と、同記念館の井上耕介館長(63)に手渡した。
井上館長は「紙質が厚くデザインもよく考えられている。素封家階級の園主たちが、自分の家や園を大切にした表れ」と話す。見つかった包装紙3枚は、現在展示中の互華園関連の包装紙(「紅白園」「不老園」)とともに展示される。
(2009年10月1日)