ICCプロファイルについて
投稿日時:
[1145]ICCプロファイルについて 投稿者:betuzan 投稿日:04/09/15-11:53
皆様こんにちは。
ICCプロファイルの運用についてどうしても理解できないのですが。
> 適正なICCプロファイルが無い場合はプロファイルは埋め込まない。
> 不用意にプロファイルを埋め込むと、とんでもない色で出力されてしまう。
このような記述をよく目にしますが、私にはどうも理解できないというか、逆だと思うのです。
出力環境に合わせた適正なICCプロファイルがあれば、そのカラースペースで作業すれば、ICCプロファイルの埋め込みの有無に関わりなく、自分がモニタで見た通りの結果になるはずです。(と言っても、モニタのキャリブレーションが取れていることが前提で、透過光と反射光の違いはありますが。)
反面、適正なICCプロファイルがわからない場合でも、データ作成時には、暫定的に何らかのカラースペースを選択することになります。そして、不幸にもそのカラースペースと印刷特性が一致しなかった場合で、プロファイルを埋め込まなかったか印刷会社によって破棄された場合は、自分がモニタで確認した色調は再現されないことになります。
カラープロファイルを埋め込むと言うことは、自分がデータを作るときに想定した印刷特性を宣言する行為にあたるもので、利点となることはあっても、害になることはないと思うのですが。
私は、デザイナーではなく写真家ですが、データ入稿による印刷サービスをしばしば利用しておりまして、どうしても納得がいかないので質問しました。
写真家の立場としては、スキャナやデジカメが生成した中間調のデータが、モニタのイメージにできるだけ近い調子で出てくれることを望みます。よって、印刷特性(インクや紙の質、印刷機による色調の変化)は重要です。そしてこの特性をデータ化したものがICCプロファイルと言えます。
反面、デザイナーの方は、どちらかと言えば数値指定したデータがその通りに出力されることを期待するのだと想像します。(例えば、C100 が、カラースペース変換でC95 M8とかになったら困る)この場合、モニタ表示とのマッチングよりも、Cのベタで印刷されることが重要で、インクや紙の質、印刷機による色調の変化は大きな問題にならないのだと想像します。勝手な想像ですが。
ただし、この場合でも、最初から印刷会社のカラープロファイルでデータを作っていれば、カラースペース変換による数値変化は起こらないし、モニタ上で仕上がりのシミュレーションもできるはずです。同じCのベタでも印刷会社によって色調が違うはずですが、この違いを自分のモニタで確認できるのです。
なお、経験上JApanColor2001コートでデータを作ったら、プロファイル運用しなくてもまずまず許容範囲内で、実用的には問題は少ないと思っています。
しかし、厳密には、間違っていることがまかり通っていると私には思え、どうもすっきりしないのです。
ただ、私は印刷会社で行われていることについての知識に乏しく、印刷会社の事情がわかれば、この奥歯にものがはさまった感じも和らぐのではないかと思って質問しました。
よろしくお願いします。
ICCプロファイルの運用についてどうしても理解できないのですが。
> 適正なICCプロファイルが無い場合はプロファイルは埋め込まない。
> 不用意にプロファイルを埋め込むと、とんでもない色で出力されてしまう。
このような記述をよく目にしますが、私にはどうも理解できないというか、逆だと思うのです。
出力環境に合わせた適正なICCプロファイルがあれば、そのカラースペースで作業すれば、ICCプロファイルの埋め込みの有無に関わりなく、自分がモニタで見た通りの結果になるはずです。(と言っても、モニタのキャリブレーションが取れていることが前提で、透過光と反射光の違いはありますが。)
反面、適正なICCプロファイルがわからない場合でも、データ作成時には、暫定的に何らかのカラースペースを選択することになります。そして、不幸にもそのカラースペースと印刷特性が一致しなかった場合で、プロファイルを埋め込まなかったか印刷会社によって破棄された場合は、自分がモニタで確認した色調は再現されないことになります。
カラープロファイルを埋め込むと言うことは、自分がデータを作るときに想定した印刷特性を宣言する行為にあたるもので、利点となることはあっても、害になることはないと思うのですが。
私は、デザイナーではなく写真家ですが、データ入稿による印刷サービスをしばしば利用しておりまして、どうしても納得がいかないので質問しました。
写真家の立場としては、スキャナやデジカメが生成した中間調のデータが、モニタのイメージにできるだけ近い調子で出てくれることを望みます。よって、印刷特性(インクや紙の質、印刷機による色調の変化)は重要です。そしてこの特性をデータ化したものがICCプロファイルと言えます。
反面、デザイナーの方は、どちらかと言えば数値指定したデータがその通りに出力されることを期待するのだと想像します。(例えば、C100 が、カラースペース変換でC95 M8とかになったら困る)この場合、モニタ表示とのマッチングよりも、Cのベタで印刷されることが重要で、インクや紙の質、印刷機による色調の変化は大きな問題にならないのだと想像します。勝手な想像ですが。
ただし、この場合でも、最初から印刷会社のカラープロファイルでデータを作っていれば、カラースペース変換による数値変化は起こらないし、モニタ上で仕上がりのシミュレーションもできるはずです。同じCのベタでも印刷会社によって色調が違うはずですが、この違いを自分のモニタで確認できるのです。
なお、経験上JApanColor2001コートでデータを作ったら、プロファイル運用しなくてもまずまず許容範囲内で、実用的には問題は少ないと思っています。
しかし、厳密には、間違っていることがまかり通っていると私には思え、どうもすっきりしないのです。
ただ、私は印刷会社で行われていることについての知識に乏しく、印刷会社の事情がわかれば、この奥歯にものがはさまった感じも和らぐのではないかと思って質問しました。
よろしくお願いします。
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[1147]Re: ICCプロファイルについて 投稿者:ライダー2号 投稿日:04/09/15-14:05
基本的にはbetuzanさんの書かれている内容は間違っていないですよ。
ただし、
> カラープロファイルを埋め込むと言うことは、自分がデータを作るときに想定した
> 印刷特性を宣言する行為にあたるもので、利点となることはあっても、害になるこ
> とはないと思うのですが。
ICCプロファイルやCMSを理解していない人が、上記のような「自分がデータを作るとき
に想定した印刷特性を宣言する」ことが可能でしょうか?
たとえば、SWOPなど日本のインクとかけ離れた色特性をもつICCプロファイルを埋め込
まれたデータを出力→印刷すれば、それこそモニタで見た色とは違うでしょう。
また、そのような色で印刷(色校正)が提出された場合、修正が発生しますよね。この
ような場合、その修正作業や費用はICCプロファイルを埋め込んだ人の責任ですが、
往々にしてデータ作成者(ICCプロファイルを埋め込んだ人)が負うことはありません。
このような現状を踏まえると「“不適切な”ICCプロファイルは埋め込まない」ことが、
より安全ということになると思います。
ただし、
> カラープロファイルを埋め込むと言うことは、自分がデータを作るときに想定した
> 印刷特性を宣言する行為にあたるもので、利点となることはあっても、害になるこ
> とはないと思うのですが。
ICCプロファイルやCMSを理解していない人が、上記のような「自分がデータを作るとき
に想定した印刷特性を宣言する」ことが可能でしょうか?
たとえば、SWOPなど日本のインクとかけ離れた色特性をもつICCプロファイルを埋め込
まれたデータを出力→印刷すれば、それこそモニタで見た色とは違うでしょう。
また、そのような色で印刷(色校正)が提出された場合、修正が発生しますよね。この
ような場合、その修正作業や費用はICCプロファイルを埋め込んだ人の責任ですが、
往々にしてデータ作成者(ICCプロファイルを埋め込んだ人)が負うことはありません。
このような現状を踏まえると「“不適切な”ICCプロファイルは埋め込まない」ことが、
より安全ということになると思います。
[1152]Re^2: ICCプロファイルについて 投稿者:betuzan 投稿日:04/09/15-16:23
ライダー2号さん レスありがとうございます。
> たとえば、SWOPなど日本のインクとかけ離れた色特性をもつICCプロファイルを埋め込
> まれたデータを出力→印刷すれば、それこそモニタで見た色とは違うでしょう。
うーん。私はそのようなことにならないと思うのですが。
仮に不適切な作業用カラースペースで作業したとしても、その時のモニタ表示は、そのカラースペースからいったんLab カラースペース(絶対的なカラースペース)を経てモニタのカラースペースに変換されて表示されているはずです。
また、不適切な作業用カラースペースで作業したデータが印刷に流れた場合でも適切にプロファイル運用が行われたら、同じように絶対的なカラースペースを経て、印刷機器のカラースペースに変換されて、製版に進むはずです。
従って、例え不適切な作業用カラースペースで作業したとしても、プロファイル運用がされている限り、極端な色転びは起こらないと思います。
ただし、無理な変換で階調が破綻(トーンジャンプ)する可能性はありますし、私が先に書いたように、ベタ指定された部分が濁るということはあると思いますが、ユーザーが画面で確認した色の再現という点では問題が出ないと思います。
ライダー2号さんの言われる現象は、
ユーザーが不適切なカラースペースで作業して、なおかつそのプロファイルを無視(破棄)して印刷が進行した場合、つまり、CMS運用を途中でやめた場合に起こることではないでしょうか?
フォトショップでもイラレでも、デフォルトで作業したカラースペースのプロファイルが埋め込まれる仕様になっています。あえて、作業空間と違うプロファイルを埋め込んだり、プロファイルを埋め込まないで保存する方が、「わかっていない」ユーザーにとっては負担が大きいような気がするのですが。
> たとえば、SWOPなど日本のインクとかけ離れた色特性をもつICCプロファイルを埋め込
> まれたデータを出力→印刷すれば、それこそモニタで見た色とは違うでしょう。
うーん。私はそのようなことにならないと思うのですが。
仮に不適切な作業用カラースペースで作業したとしても、その時のモニタ表示は、そのカラースペースからいったんLab カラースペース(絶対的なカラースペース)を経てモニタのカラースペースに変換されて表示されているはずです。
また、不適切な作業用カラースペースで作業したデータが印刷に流れた場合でも適切にプロファイル運用が行われたら、同じように絶対的なカラースペースを経て、印刷機器のカラースペースに変換されて、製版に進むはずです。
従って、例え不適切な作業用カラースペースで作業したとしても、プロファイル運用がされている限り、極端な色転びは起こらないと思います。
ただし、無理な変換で階調が破綻(トーンジャンプ)する可能性はありますし、私が先に書いたように、ベタ指定された部分が濁るということはあると思いますが、ユーザーが画面で確認した色の再現という点では問題が出ないと思います。
ライダー2号さんの言われる現象は、
ユーザーが不適切なカラースペースで作業して、なおかつそのプロファイルを無視(破棄)して印刷が進行した場合、つまり、CMS運用を途中でやめた場合に起こることではないでしょうか?
フォトショップでもイラレでも、デフォルトで作業したカラースペースのプロファイルが埋め込まれる仕様になっています。あえて、作業空間と違うプロファイルを埋め込んだり、プロファイルを埋め込まないで保存する方が、「わかっていない」ユーザーにとっては負担が大きいような気がするのですが。
[1175]Re^3: ICCプロファイルについて 投稿者:ライダー2号 投稿日:04/09/17-18:44
> > たとえば、SWOPなど日本のインクとかけ離れた色特性をもつICCプロファイルを埋め込
> > まれたデータを出力→印刷すれば、それこそモニタで見た色とは違うでしょう。
>
> うーん。私はそのようなことにならないと思うのですが。
>
> 仮に不適切な作業用カラースペースで作業したとしても、その時のモニタ表示は、そのカラースペースからいったんLab カラースペース(絶対的なカラースペース)を経てモニタのカラースペースに変換されて表示されているはずです。
> また、不適切な作業用カラースペースで作業したデータが印刷に流れた場合でも適切にプロファイル運用が行われたら、同じように絶対的なカラースペースを経て、印刷機器のカラースペースに変換されて、製版に進むはずです。
> 従って、例え不適切な作業用カラースペースで作業したとしても、プロファイル運用がされている限り、極端な色転びは起こらないと思います。
> ただし、無理な変換で階調が破綻(トーンジャンプ)する可能性はありますし、私が先に書いたように、ベタ指定された部分が濁るということはあると思いますが、ユーザーが画面で確認した色の再現という点では問題が出ないと思います。
>
> ライダー2号さんの言われる現象は、
> ユーザーが不適切なカラースペースで作業して、なおかつそのプロファイルを無視(破棄)して印刷が進行した場合、つまり、CMS運用を途中でやめた場合に起こることではないでしょうか?
>
> フォトショップでもイラレでも、デフォルトで作業したカラースペースのプロファイルが埋め込まれる仕様になっています。あえて、作業空間と違うプロファイルを埋め込んだり、プロファイルを埋め込まないで保存する方が、「わかっていない」ユーザーにとっては負担が大きいような気がするのですが。
お返事遅くなりました。
下のスレッドで他の方が「色が変化する理由」については書かれていますので、ご理解いた
だいたということでよろしいでしょうか?
ご納得されていないようであれば、私なりにお答えしますが。
> > まれたデータを出力→印刷すれば、それこそモニタで見た色とは違うでしょう。
>
> うーん。私はそのようなことにならないと思うのですが。
>
> 仮に不適切な作業用カラースペースで作業したとしても、その時のモニタ表示は、そのカラースペースからいったんLab カラースペース(絶対的なカラースペース)を経てモニタのカラースペースに変換されて表示されているはずです。
> また、不適切な作業用カラースペースで作業したデータが印刷に流れた場合でも適切にプロファイル運用が行われたら、同じように絶対的なカラースペースを経て、印刷機器のカラースペースに変換されて、製版に進むはずです。
> 従って、例え不適切な作業用カラースペースで作業したとしても、プロファイル運用がされている限り、極端な色転びは起こらないと思います。
> ただし、無理な変換で階調が破綻(トーンジャンプ)する可能性はありますし、私が先に書いたように、ベタ指定された部分が濁るということはあると思いますが、ユーザーが画面で確認した色の再現という点では問題が出ないと思います。
>
> ライダー2号さんの言われる現象は、
> ユーザーが不適切なカラースペースで作業して、なおかつそのプロファイルを無視(破棄)して印刷が進行した場合、つまり、CMS運用を途中でやめた場合に起こることではないでしょうか?
>
> フォトショップでもイラレでも、デフォルトで作業したカラースペースのプロファイルが埋め込まれる仕様になっています。あえて、作業空間と違うプロファイルを埋め込んだり、プロファイルを埋め込まないで保存する方が、「わかっていない」ユーザーにとっては負担が大きいような気がするのですが。
お返事遅くなりました。
下のスレッドで他の方が「色が変化する理由」については書かれていますので、ご理解いた
だいたということでよろしいでしょうか?
ご納得されていないようであれば、私なりにお答えしますが。
[1176]Re^4: ICCプロファイルについて 投稿者:betuzan 投稿日:04/09/17-21:01
> ご納得されていないようであれば、私なりにお答えしますが。
はい、私はライダー2号さんの言われる意味を取り違えていたようですが、理解できました。
わざわざありがとうございます。
はい、私はライダー2号さんの言われる意味を取り違えていたようですが、理解できました。
わざわざありがとうございます。
[1153]Re: ICCプロファイルについて 投稿者:m_ogawa 投稿日:04/09/15-17:25
不勉強な私が返信していいものかとは思いますが…
> 出力環境に合わせた適正なICCプロファイルがあれば、
そもそも実際のオフセット印刷の現場でそれ(ICCプロファイル)を作っている所は
少ない、というかほとんど無いのでは、と思います。
出力側では用紙、インク、刷版(フィルムorCTP、印刷枚数)などいろいろ変動条件があるので
現実的に役に立つICCプロファイルを用意するとなれば何十種類にもなるでしょうから
費用や毎日の調整などは膨大になるし、使う方も例えばカメラマンの方がデータ保存時に
「このデータはどこの印刷工場の何番機でどの用紙で刷られる」
というところまで知ることは不可能でしょう。
出力側はこんな状況ですが入力側(例えばカメラマン)のRGBについてはかなり条件が
整ってきているんだと思います(例えばAdobeRGB対応モニター等)。
大手印刷機器メーカーが、ある意味今までとまったく逆の、RGBワークフローを
提示するようになったのはこうした要因もあるのだと思います(素人考え)。
> カラープロファイルを埋め込むと言うことは、自分がデータを作るときに想定した印刷特性を宣言する行為にあたるもので、利点となることはあっても、害になることはないと思うのですが。
知識不足だったり、忙しくてチェックが疎かになりがちな現場だと、
プロファイルが二重にかかって色がおかしくなる事故があり得ます。
というか、かなり事故があるから埋め込むな、ということになるのでは…
(私も初心者の頃にやってしまった記憶があります^^;)
> 反面、デザイナーの方は、どちらかと言えば数値指定したデータがその通りに出力されることを期待するのだと想像します
これは実際の現場でデザイナーが自分の出したい色を実際に出すには数値指定するのが
一番効率的で期待できる方法だと考えているからです。
DTP以前のデザイナーなら網の%の数値で色をイメージできたし、
現場でも大体共通の感覚で作業するので、双方で同じ感覚で色を作れたのです。
いわば、人間の感覚と経験によるキャリブレーションです。
大多数の現場ではICCプロファイルより今までのやり方、経験の方がまだ信頼されていると思います。
要するにICCプロファイルに対する認識と信頼が、入力側と出力側で極端に違う、
ということが言えるんではないかと私は思っています。
#というか印刷業者で「ICCプロファイルなんて知らない」という所はまだたくさんあります(^^)
> 出力環境に合わせた適正なICCプロファイルがあれば、
そもそも実際のオフセット印刷の現場でそれ(ICCプロファイル)を作っている所は
少ない、というかほとんど無いのでは、と思います。
出力側では用紙、インク、刷版(フィルムorCTP、印刷枚数)などいろいろ変動条件があるので
現実的に役に立つICCプロファイルを用意するとなれば何十種類にもなるでしょうから
費用や毎日の調整などは膨大になるし、使う方も例えばカメラマンの方がデータ保存時に
「このデータはどこの印刷工場の何番機でどの用紙で刷られる」
というところまで知ることは不可能でしょう。
出力側はこんな状況ですが入力側(例えばカメラマン)のRGBについてはかなり条件が
整ってきているんだと思います(例えばAdobeRGB対応モニター等)。
大手印刷機器メーカーが、ある意味今までとまったく逆の、RGBワークフローを
提示するようになったのはこうした要因もあるのだと思います(素人考え)。
> カラープロファイルを埋め込むと言うことは、自分がデータを作るときに想定した印刷特性を宣言する行為にあたるもので、利点となることはあっても、害になることはないと思うのですが。
知識不足だったり、忙しくてチェックが疎かになりがちな現場だと、
プロファイルが二重にかかって色がおかしくなる事故があり得ます。
というか、かなり事故があるから埋め込むな、ということになるのでは…
(私も初心者の頃にやってしまった記憶があります^^;)
> 反面、デザイナーの方は、どちらかと言えば数値指定したデータがその通りに出力されることを期待するのだと想像します
これは実際の現場でデザイナーが自分の出したい色を実際に出すには数値指定するのが
一番効率的で期待できる方法だと考えているからです。
DTP以前のデザイナーなら網の%の数値で色をイメージできたし、
現場でも大体共通の感覚で作業するので、双方で同じ感覚で色を作れたのです。
いわば、人間の感覚と経験によるキャリブレーションです。
大多数の現場ではICCプロファイルより今までのやり方、経験の方がまだ信頼されていると思います。
要するにICCプロファイルに対する認識と信頼が、入力側と出力側で極端に違う、
ということが言えるんではないかと私は思っています。
#というか印刷業者で「ICCプロファイルなんて知らない」という所はまだたくさんあります(^^)
[1157]Re^2: ICCプロファイルについて 投稿者:betuzan 投稿日:04/09/15-23:48
m_ogawaさん。ありがとうございます。
> そもそも実際のオフセット印刷の現場でそれ(ICCプロファイル)を作っている所は
> 少ない、というかほとんど無いのでは、と思います。
私の少ない経験でも、そのとおりだと思います。
> 現実的に役に立つICCプロファイルを用意するとなれば何十種類にもなるでしょうから
> 費用や毎日の調整などは膨大になるし、使う方も例えばカメラマンの方がデータ保存時に
> 「このデータはどこの印刷工場の何番機でどの用紙で刷られる」
> というところまで知ることは不可能でしょう。
その通りですね。
だからこそ、JapanColorのような汎用的なプロファイルに印刷機を合わせることに意味があるのだと思います。
この場合、印刷現場では、色見本に色を合わせるのではなく、標準のチャートに色を合わせるのです。
> 知識不足だったり、忙しくてチェックが疎かになりがちな現場だと、
> プロファイルが二重にかかって色がおかしくなる事故があり得ます。
現に私自身がPhotoshopからRGBプリンタに出力するときにでさえ、Photoshopでプリンタのカラースペースに変換しているのに、プリンタ側でも色補正してしまって、あっと驚く色で出てきてしまうことがあります。
しかし、この件はプロファイルを拒否する理由としてはちょっと。。。何をするときにもミスの可能性がありますし、それミスしないように管理するべきだと思います。
> DTP以前のデザイナーなら網の%の数値で色をイメージできたし、
> 現場でも大体共通の感覚で作業するので、双方で同じ感覚で色を作れたのです。
やはりそうですか。ただし、このやり方では、Japan Color とJapanS tandard V2 の色調の差程度は、許容できることが前提ですね。
一方、写真家の立場としては、常にではありませんが、その差が許容できない場合があるのです。
> 要するにICCプロファイルに対する認識と信頼が、入力側と出力側で極端に違う、
> ということが言えるんではないかと私は思っています。
色々書きましたが、結局の所はここに問題が集約されるのでしょうね。
今までは、入力側(デザイナーさん)、出力側(印刷会社)の2者だけの関係で成り立っていたところに、デジタルカメラの普及に合わせて写真家がほぼ同じウエイトで割り込んでくることになるだろうと思います。
m_ogawaさんも触れられていましたが、大手印刷会社のRGBワークフローへの動きは、このあたりのことを見越してのことだと思います。
> そもそも実際のオフセット印刷の現場でそれ(ICCプロファイル)を作っている所は
> 少ない、というかほとんど無いのでは、と思います。
私の少ない経験でも、そのとおりだと思います。
> 現実的に役に立つICCプロファイルを用意するとなれば何十種類にもなるでしょうから
> 費用や毎日の調整などは膨大になるし、使う方も例えばカメラマンの方がデータ保存時に
> 「このデータはどこの印刷工場の何番機でどの用紙で刷られる」
> というところまで知ることは不可能でしょう。
その通りですね。
だからこそ、JapanColorのような汎用的なプロファイルに印刷機を合わせることに意味があるのだと思います。
この場合、印刷現場では、色見本に色を合わせるのではなく、標準のチャートに色を合わせるのです。
> 知識不足だったり、忙しくてチェックが疎かになりがちな現場だと、
> プロファイルが二重にかかって色がおかしくなる事故があり得ます。
現に私自身がPhotoshopからRGBプリンタに出力するときにでさえ、Photoshopでプリンタのカラースペースに変換しているのに、プリンタ側でも色補正してしまって、あっと驚く色で出てきてしまうことがあります。
しかし、この件はプロファイルを拒否する理由としてはちょっと。。。何をするときにもミスの可能性がありますし、それミスしないように管理するべきだと思います。
> DTP以前のデザイナーなら網の%の数値で色をイメージできたし、
> 現場でも大体共通の感覚で作業するので、双方で同じ感覚で色を作れたのです。
やはりそうですか。ただし、このやり方では、Japan Color とJapanS tandard V2 の色調の差程度は、許容できることが前提ですね。
一方、写真家の立場としては、常にではありませんが、その差が許容できない場合があるのです。
> 要するにICCプロファイルに対する認識と信頼が、入力側と出力側で極端に違う、
> ということが言えるんではないかと私は思っています。
色々書きましたが、結局の所はここに問題が集約されるのでしょうね。
今までは、入力側(デザイナーさん)、出力側(印刷会社)の2者だけの関係で成り立っていたところに、デジタルカメラの普及に合わせて写真家がほぼ同じウエイトで割り込んでくることになるだろうと思います。
m_ogawaさんも触れられていましたが、大手印刷会社のRGBワークフローへの動きは、このあたりのことを見越してのことだと思います。
[1161]Re^3: ICCプロファイルについて 投稿者:makeru 投稿日:04/09/16-12:41
ちょっとよろしいですか?
現実問題として、CMYKプロファイル運用はまだむずかしいのは
もう書く必要がないと思いますので省かせて貰うんですが、
> やはりそうですか。ただし、このやり方では、Japan Color とJapanS tandard V2 の色調の差程度は、許容できることが前提ですね。
> 一方、写真家の立場としては、常にではありませんが、その差が許容できない場合があるのです。
>そんなところにかぎって、プロファイルは破棄してデータに忠実に
>出します。色が心配なら追加料金で色校正をしてくださいと言われ
>ます。
>プロファイルを破棄した時点で忠実も何もあったもんじゃないと思
>いますし、印刷特性も教えてもらえないのに追加料金で色校正とか
>よく言えるなあと感じます(^^;)
差が許容できないほど厳密に色にこだわりたいのに、
色校にすら、お金をだすのは嫌なわけですか?
現実問題として、CMYKプロファイル運用はまだむずかしいのは
もう書く必要がないと思いますので省かせて貰うんですが、
> やはりそうですか。ただし、このやり方では、Japan Color とJapanS tandard V2 の色調の差程度は、許容できることが前提ですね。
> 一方、写真家の立場としては、常にではありませんが、その差が許容できない場合があるのです。
>そんなところにかぎって、プロファイルは破棄してデータに忠実に
>出します。色が心配なら追加料金で色校正をしてくださいと言われ
>ます。
>プロファイルを破棄した時点で忠実も何もあったもんじゃないと思
>いますし、印刷特性も教えてもらえないのに追加料金で色校正とか
>よく言えるなあと感じます(^^;)
差が許容できないほど厳密に色にこだわりたいのに、
色校にすら、お金をだすのは嫌なわけですか?
[1162]Re^4: ICCプロファイルについて 投稿者:betuzan 投稿日:04/09/16-15:32
> 差が許容できないほど厳密に色にこだわりたいのに、
> 色校にすら、お金をだすのは嫌なわけですか?
makeru 様
ちょっと誤解を与えてしまったようで。
極論ですが、プロファイルを無視するということは、データを変える行為で、最初から色が合わないことはあきらかです。(繰り返しますがこれは極論・厳密論ですので。実際はだいたい合うのですが)
最初から合わないようなことをしておいて、色が気になるのなら追加料金を払えという姿勢に疑問を感じると言いたかったのです。
これが逆にプロファイルを運用している、つまり、Photoshopのコマンドで言えば「プロファイルの変換」(指定ではありません)をしてくれる場合で、なおかつ色にこだわりたい場合なら追加料金で色校も納得できます。
前者は、「データを勝手に変えておいて、色校で追加料金とは殺生ですよ。」、後者は、「できるだけデータを尊重してくれているようだけど、やっぱり色が心配なので色校をお願いします。追加料金が必要なら払いますよ。」という気持ちです。
おわかりいただけたでしょうか。
これは、私のぼやきみたいなものです。
気を悪くされた方がいたら、申し訳ないです。
実際には、印刷会社でのプロファイルの扱いにかかわらず、色が気になるような時には校正を頼みますし、気にならないなら頼みません。
また、その印刷会社のやり方が気に入らないなら最初から使わなければいいわけで、その印刷会社を選んだ以上、そこのやり方に従うのがルールで礼儀だと思います。
> 色校にすら、お金をだすのは嫌なわけですか?
makeru 様
ちょっと誤解を与えてしまったようで。
極論ですが、プロファイルを無視するということは、データを変える行為で、最初から色が合わないことはあきらかです。(繰り返しますがこれは極論・厳密論ですので。実際はだいたい合うのですが)
最初から合わないようなことをしておいて、色が気になるのなら追加料金を払えという姿勢に疑問を感じると言いたかったのです。
これが逆にプロファイルを運用している、つまり、Photoshopのコマンドで言えば「プロファイルの変換」(指定ではありません)をしてくれる場合で、なおかつ色にこだわりたい場合なら追加料金で色校も納得できます。
前者は、「データを勝手に変えておいて、色校で追加料金とは殺生ですよ。」、後者は、「できるだけデータを尊重してくれているようだけど、やっぱり色が心配なので色校をお願いします。追加料金が必要なら払いますよ。」という気持ちです。
おわかりいただけたでしょうか。
これは、私のぼやきみたいなものです。
気を悪くされた方がいたら、申し訳ないです。
実際には、印刷会社でのプロファイルの扱いにかかわらず、色が気になるような時には校正を頼みますし、気にならないなら頼みません。
また、その印刷会社のやり方が気に入らないなら最初から使わなければいいわけで、その印刷会社を選んだ以上、そこのやり方に従うのがルールで礼儀だと思います。
[1164]Re^5: ICCプロファイルについて 投稿者:makeru 投稿日:04/09/16-17:21
はじめに謝っておきます。すいませんでした。
ちょっとテストさせていただきました。
そういうお考えでしたら、こちらとしても何も文句のつけようがございません。
※※
プロファイル付加でのデータ運用は比較的あたらしい技術の範疇に入ってしまうと思われますが、
それを導入して実行するだけのチカラが、今の印刷業界にはない、まぁ、つまるところお金がないのが根本的な問題かと、業界の人間として思ってるわけです。
人材を教育し、正しく運営管理するにはコストがかかりますからね。
今の、半ばダンピングに近い料金体系でそれを捻出し維持していくのは殆どの会社には不可能だと思われます。
ちょっとテストさせていただきました。
そういうお考えでしたら、こちらとしても何も文句のつけようがございません。
※※
プロファイル付加でのデータ運用は比較的あたらしい技術の範疇に入ってしまうと思われますが、
それを導入して実行するだけのチカラが、今の印刷業界にはない、まぁ、つまるところお金がないのが根本的な問題かと、業界の人間として思ってるわけです。
人材を教育し、正しく運営管理するにはコストがかかりますからね。
今の、半ばダンピングに近い料金体系でそれを捻出し維持していくのは殆どの会社には不可能だと思われます。
[1168]Re^6: ICCプロファイルについて 投稿者:betuzan 投稿日:04/09/16-23:58
» 1154
[1154]Re: ICCプロファイルについて 投稿者:ak 投稿日:04/09/15-20:19
こんにちわ。
betuzanさんの疑問はCMYKのデータを作るときにそのデータにCMYKのプロファイルを
埋め込むべきではないか?ということですよね?
(最初の発言に適切なプロファイルが云々…というのがあったので混乱したのですが、
その後の経過をみるとCMYKの出力について話しているようですので、その前提で話を
します。)
ICCプロファイルを使って、CMYKの色のシミュレーションを行う場合、まず大前提と
なるのは最終出力デバイス(印刷機)のICCプロファイルがある事になります。
betuzanさんは発想の原点に「モニタで見た色を最終印刷物にする」というのがあるから
話がややこしくなっているのではないでしょうか。
発想を逆転させてください「最終印刷物の色をモニタでみる」のです。
つまり、現在言われているICCプロファイルを使ったワークフローは、まず最終デバイス
である印刷機の色が決まっている(印刷機の状態が安定しており、常に一定の色空間で
出力している)状態であるというのが必須です。これを印刷機の標準化といいます。
印刷機が標準化されて初めて、その印刷機のICCプロファイルが作れます。
このICCプロファイルを使ってモニタ上でCMYKをシミュレーションすることで「最終印
刷物の色がモニタでみられる」状態になります。
この状態で作ったCMYKデータは、最終デバイスの色空間が固定されているのですから、
CMYKの数値での出力がモニタでの見た目の色と一致するということになります。で、
あればわざわざデータにプロファイルを埋め込む必要はありません。すでに色空間が決
定しているのですから、カラースペースの変更はおこりませんし、むしろデータにプロ
ファイルをつけることによって、よけいな変換(プロファイルの二重がけなど)を起こ
す可能性があることを考えればプロファイルは削除して最終出力にまわした方がいいと
いえます。
では、最終デバイスが決まっていない場合、または最終デバイスのICCプロファイルが手
に入らない場合はどうするのか。
最終デバイスのICCプロファイルは手に入らない、でも、最終的な色をモニタで(もしく
は手持ちのカラープリンタで)シミュレーションしたい。その場合、汎用的なプロファ
イルを使ってCMYKの出力のシミュレーションをするしかありません。
betuzanさんの試したように、Adobeの配布しているJapanColor2001コートなどのよ
うな、自分が最終的に使用するデバイスの特性に近いプロファイルを使ってシミュレー
ションすることになるでしょう。
ではこのシミュレーションした色を後行程に伝えるにはどうしたらいいのでしょう。
betuzanさんは「自分がデータを作るときに想定した印刷特性を宣言する」ためにプロ
ファイルを添付したいとおっしゃいましたが、現状ではこれでは後行程に色は伝わらな
いと思います。
betuzanさんの
> また、不適切な作業用カラースペースで作業したデータが印刷に流れた場合でも適切に
>プロファイル運用が行われたら、同じように絶対的なカラースペースを経て、
>印刷機器のカラースペースに変換されて、製版に進むはずです。
これは理論としては正しいのですが、ふたつ大きな問題があります。
ひとつはCMYKからCMYKへのカラースペース変換が行われるとき、一旦Labカラーとい
うカラースペースを経由して変換が行われます。
この時大きな問題になるのがK版つまり墨版の問題です。
Labというカラースペースに変換された段階で、墨版はその色をCMYの掛け合わせに変
換されてしまいます。Labの数値が同じなら同じ色に見えるはずだと思うかもしれません
が、印刷したとき、その色が墨版であるかCMYの掛け合わせであるかというのはかなり
違って見えるのです。(それ以外にも、インキの適正使用量などの印刷特性にからんだ
問題もいろいろあるんですが)
ですから基本的にはCMYKtoCMYKのプロファイルを使ったカラースペースの変更とい
うのは行わない方がいいということになります。
もうひとつは、最終出力行程で印刷機器のカラースペースに変換するためには最終出力
デバイスのICCプロファイルが必要ですが、それがそもそも存在しない場合、正しい色に
変換できないということです。
印刷機のICCプロファイルを作るには印刷機の標準化が必要であると書きましたが、この
標準化が完璧に行われている印刷会社というのは日本全国を探してもそう多くないと思
います。
ほとんどの印刷現場では、まだまだ印刷工の経験と腕で(つまり人力で)色合わせを行っ
ているのです。標準化されていないということはICCプロファイルも作れませんので、存
在しません。
この環境でいくらCMYKのプロファイルを添付したデータを入稿しても、その色がどん
なものか判断できません。
データを出力する人間としては、プロファイルを破棄して出力するしかないからです。
では、せっかくシミュレーションした色を再現することはできないのか?
一番簡単なのはbetuzanさんがシミュレーションして見た色を目に見える形で後行程に
渡す事です。
つまり手持ちのカラープリンタで、最終出力の色を色見本として出力し、それを添付し
て後行程にまわします。
その出力見本を見て印刷工がその色にあわせて印刷機を調整し、すってくれるでしょう。
以上の理由から、私はCMYKのプロファイルは、モニタやプリンタでのシミュレーショ
ンやRGB→CMYKの変換の時のみに使用し、データには埋め込むべきではない(埋め込
む必要はない)と考えています。
betuzanさんの疑問はCMYKのデータを作るときにそのデータにCMYKのプロファイルを
埋め込むべきではないか?ということですよね?
(最初の発言に適切なプロファイルが云々…というのがあったので混乱したのですが、
その後の経過をみるとCMYKの出力について話しているようですので、その前提で話を
します。)
ICCプロファイルを使って、CMYKの色のシミュレーションを行う場合、まず大前提と
なるのは最終出力デバイス(印刷機)のICCプロファイルがある事になります。
betuzanさんは発想の原点に「モニタで見た色を最終印刷物にする」というのがあるから
話がややこしくなっているのではないでしょうか。
発想を逆転させてください「最終印刷物の色をモニタでみる」のです。
つまり、現在言われているICCプロファイルを使ったワークフローは、まず最終デバイス
である印刷機の色が決まっている(印刷機の状態が安定しており、常に一定の色空間で
出力している)状態であるというのが必須です。これを印刷機の標準化といいます。
印刷機が標準化されて初めて、その印刷機のICCプロファイルが作れます。
このICCプロファイルを使ってモニタ上でCMYKをシミュレーションすることで「最終印
刷物の色がモニタでみられる」状態になります。
この状態で作ったCMYKデータは、最終デバイスの色空間が固定されているのですから、
CMYKの数値での出力がモニタでの見た目の色と一致するということになります。で、
あればわざわざデータにプロファイルを埋め込む必要はありません。すでに色空間が決
定しているのですから、カラースペースの変更はおこりませんし、むしろデータにプロ
ファイルをつけることによって、よけいな変換(プロファイルの二重がけなど)を起こ
す可能性があることを考えればプロファイルは削除して最終出力にまわした方がいいと
いえます。
では、最終デバイスが決まっていない場合、または最終デバイスのICCプロファイルが手
に入らない場合はどうするのか。
最終デバイスのICCプロファイルは手に入らない、でも、最終的な色をモニタで(もしく
は手持ちのカラープリンタで)シミュレーションしたい。その場合、汎用的なプロファ
イルを使ってCMYKの出力のシミュレーションをするしかありません。
betuzanさんの試したように、Adobeの配布しているJapanColor2001コートなどのよ
うな、自分が最終的に使用するデバイスの特性に近いプロファイルを使ってシミュレー
ションすることになるでしょう。
ではこのシミュレーションした色を後行程に伝えるにはどうしたらいいのでしょう。
betuzanさんは「自分がデータを作るときに想定した印刷特性を宣言する」ためにプロ
ファイルを添付したいとおっしゃいましたが、現状ではこれでは後行程に色は伝わらな
いと思います。
betuzanさんの
> また、不適切な作業用カラースペースで作業したデータが印刷に流れた場合でも適切に
>プロファイル運用が行われたら、同じように絶対的なカラースペースを経て、
>印刷機器のカラースペースに変換されて、製版に進むはずです。
これは理論としては正しいのですが、ふたつ大きな問題があります。
ひとつはCMYKからCMYKへのカラースペース変換が行われるとき、一旦Labカラーとい
うカラースペースを経由して変換が行われます。
この時大きな問題になるのがK版つまり墨版の問題です。
Labというカラースペースに変換された段階で、墨版はその色をCMYの掛け合わせに変
換されてしまいます。Labの数値が同じなら同じ色に見えるはずだと思うかもしれません
が、印刷したとき、その色が墨版であるかCMYの掛け合わせであるかというのはかなり
違って見えるのです。(それ以外にも、インキの適正使用量などの印刷特性にからんだ
問題もいろいろあるんですが)
ですから基本的にはCMYKtoCMYKのプロファイルを使ったカラースペースの変更とい
うのは行わない方がいいということになります。
もうひとつは、最終出力行程で印刷機器のカラースペースに変換するためには最終出力
デバイスのICCプロファイルが必要ですが、それがそもそも存在しない場合、正しい色に
変換できないということです。
印刷機のICCプロファイルを作るには印刷機の標準化が必要であると書きましたが、この
標準化が完璧に行われている印刷会社というのは日本全国を探してもそう多くないと思
います。
ほとんどの印刷現場では、まだまだ印刷工の経験と腕で(つまり人力で)色合わせを行っ
ているのです。標準化されていないということはICCプロファイルも作れませんので、存
在しません。
この環境でいくらCMYKのプロファイルを添付したデータを入稿しても、その色がどん
なものか判断できません。
データを出力する人間としては、プロファイルを破棄して出力するしかないからです。
では、せっかくシミュレーションした色を再現することはできないのか?
一番簡単なのはbetuzanさんがシミュレーションして見た色を目に見える形で後行程に
渡す事です。
つまり手持ちのカラープリンタで、最終出力の色を色見本として出力し、それを添付し
て後行程にまわします。
その出力見本を見て印刷工がその色にあわせて印刷機を調整し、すってくれるでしょう。
以上の理由から、私はCMYKのプロファイルは、モニタやプリンタでのシミュレーショ
ンやRGB→CMYKの変換の時のみに使用し、データには埋め込むべきではない(埋め込
む必要はない)と考えています。
[1159]Re^2: ICCプロファイルについて 投稿者:betuzan 投稿日:04/09/16-00:39
ak さん、ありがとうございます。
> この状態で作ったCMYKデータは、最終デバイスの色空間が固定されているのですから、
> CMYKの数値での出力がモニタでの見た目の色と一致するということになります。で、
> あればわざわざデータにプロファイルを埋め込む必要はありません。
ここまで、akさんの言うとおりだと思います。
ただ、私が疑問に思うのは、ここからなぜプロファイルを埋め込むべきでないという結論になるのかです。
埋め込んでいてもいいのでは。また、埋め込んでいたほうが、指示書などで伝えるよりも説得力があり間違うことは少ないと思います。
印刷所で使用される機器やソフトウエアのことが私にはわからないのですが、プロファイルのチェックや2重がけを防ぐことが極端に困難な理由があるのでしょうか???
> ですから基本的にはCMYKtoCMYKのプロファイルを使ったカラースペースの変更とい
> うのは行わない方がいいということになります。
はい。よくわかりました。
> では、せっかくシミュレーションした色を再現することはできないのか?
> 一番簡単なのはbetuzanさんがシミュレーションして見た色を目に見える形で後行程に
> 渡す事です。
そうですね。
だけど、インターネットでたくさん見つかる印刷サービスでは、色見本の添付を拒否するところがほとんどです。
そんなところにかぎって、プロファイルは破棄してデータに忠実に出します。色が心配なら追加料金で色校正をしてくださいと言われます。
プロファイルを破棄した時点で忠実も何もあったもんじゃないと思いますし、印刷特性も教えてもらえないのに追加料金で色校正とかよく言えるなあと感じます(^^;)
> 以上の理由から、私はCMYKのプロファイルは、モニタやプリンタでのシミュレーショ
> ンやRGB→CMYKの変換の時のみに使用し、データには埋め込むべきではない(埋め込
> む必要はない)と考えています。
現実解としては、やはりそのようになるのですね。
ただ、将来的には、印刷機の標準化が進んで、印刷会社から作業用のプロファイルを指定されるような時代になることを希望します。
> この状態で作ったCMYKデータは、最終デバイスの色空間が固定されているのですから、
> CMYKの数値での出力がモニタでの見た目の色と一致するということになります。で、
> あればわざわざデータにプロファイルを埋め込む必要はありません。
ここまで、akさんの言うとおりだと思います。
ただ、私が疑問に思うのは、ここからなぜプロファイルを埋め込むべきでないという結論になるのかです。
埋め込んでいてもいいのでは。また、埋め込んでいたほうが、指示書などで伝えるよりも説得力があり間違うことは少ないと思います。
印刷所で使用される機器やソフトウエアのことが私にはわからないのですが、プロファイルのチェックや2重がけを防ぐことが極端に困難な理由があるのでしょうか???
> ですから基本的にはCMYKtoCMYKのプロファイルを使ったカラースペースの変更とい
> うのは行わない方がいいということになります。
はい。よくわかりました。
> では、せっかくシミュレーションした色を再現することはできないのか?
> 一番簡単なのはbetuzanさんがシミュレーションして見た色を目に見える形で後行程に
> 渡す事です。
そうですね。
だけど、インターネットでたくさん見つかる印刷サービスでは、色見本の添付を拒否するところがほとんどです。
そんなところにかぎって、プロファイルは破棄してデータに忠実に出します。色が心配なら追加料金で色校正をしてくださいと言われます。
プロファイルを破棄した時点で忠実も何もあったもんじゃないと思いますし、印刷特性も教えてもらえないのに追加料金で色校正とかよく言えるなあと感じます(^^;)
> 以上の理由から、私はCMYKのプロファイルは、モニタやプリンタでのシミュレーショ
> ンやRGB→CMYKの変換の時のみに使用し、データには埋め込むべきではない(埋め込
> む必要はない)と考えています。
現実解としては、やはりそのようになるのですね。
ただ、将来的には、印刷機の標準化が進んで、印刷会社から作業用のプロファイルを指定されるような時代になることを希望します。
[1165]Re^3: ICCプロファイルについて 投稿者:ak 投稿日:04/09/16-17:49
> ただ、私が疑問に思うのは、ここからなぜプロファイルを埋め込むべきでないという結論になるのかです。
> 埋め込んでいてもいいのでは。また、埋め込んでいたほうが、指示書などで伝えるよりも説得力があり間違うことは少ないと思います。
betuzanさんがそこまで色にこだわりたくて、プロファイルを使った運用をしたいのなら
その運用を行える出力ショップや、印刷会社を探して、そこを利用した方がいいんじゃない
かと思うんですが。
JapanColorの運用を行っている印刷会社なら、探せばあるでしょうし、データを持ち込んで
「JapanColorで刷ってください」といえばお望みの色が手に入るでしょう。
でも、その場合、JapanColorで刷ると決まってるんですから、プロファイルを添付する必要
はないですよね。
プロファイルの運用をしているけど、JapanColorではない印刷会社に持ち込む場合、つまり
その会社の最終デバイスICCプロファイルがあるところに持ち込んだとしても、
CMYKtoCMYKの色変換は通常行いませんから、betuzanさんがデータにつけたJapanColor
のプロファイルは破棄されるだけです。
つまりどちらにしても意味がないなら、よけいな事故を起こさないためにも埋め込まない方
がいいということです。
それからデータにつけたプロファイルが指示書よりも説得力があり、間違いがないなんてい
うのはbetuzanさんの思い込みです。
私の働く印刷会社はそれなりにカラーマネジメントに取り組んでいますが、それは自社の印
刷機の色を中間デバイス(DDCPですとか、カラーレーザープリンタですとか)で再現すると
いう所
> 埋め込んでいてもいいのでは。また、埋め込んでいたほうが、指示書などで伝えるよりも説得力があり間違うことは少ないと思います。
betuzanさんがそこまで色にこだわりたくて、プロファイルを使った運用をしたいのなら
その運用を行える出力ショップや、印刷会社を探して、そこを利用した方がいいんじゃない
かと思うんですが。
JapanColorの運用を行っている印刷会社なら、探せばあるでしょうし、データを持ち込んで
「JapanColorで刷ってください」といえばお望みの色が手に入るでしょう。
でも、その場合、JapanColorで刷ると決まってるんですから、プロファイルを添付する必要
はないですよね。
プロファイルの運用をしているけど、JapanColorではない印刷会社に持ち込む場合、つまり
その会社の最終デバイスICCプロファイルがあるところに持ち込んだとしても、
CMYKtoCMYKの色変換は通常行いませんから、betuzanさんがデータにつけたJapanColor
のプロファイルは破棄されるだけです。
つまりどちらにしても意味がないなら、よけいな事故を起こさないためにも埋め込まない方
がいいということです。
それからデータにつけたプロファイルが指示書よりも説得力があり、間違いがないなんてい
うのはbetuzanさんの思い込みです。
私の働く印刷会社はそれなりにカラーマネジメントに取り組んでいますが、それは自社の印
刷機の色を中間デバイス(DDCPですとか、カラーレーザープリンタですとか)で再現すると
いう所
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