「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」

[92]「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」 | 投稿者:satoshi | 投稿日:2007/11/01(Thu) 12:01:41
OpenTypeのヒラギノ、小塚、フォントワークスでは、「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」は同じなのでしょうか? 違うのであればどういう意味で違うのですか? 見た感じ同じように詰まりますよね。
また、和文を詰めるのは「文字ツメ」でと、確かここのサイトでもかかれていたように思いますが、なぜ「プロポーショナルメトリクス」、「メトリクス」や「オプティカル」ではなく「文字ツメ」を使うのか? そして「文字ツメ」を使うのであれば、「プロポーショナルメトリクス」、「メトリクス」や「オプティカル」は何のために(用途に)存在する機能ですか?
» 1
> 何のために(用途に)存在する機能ですか?
一応開発者が意図した用途はあることでしょう。
ですがそれはユーザーが決めればよいことだと思いませんか?
あとは、こちらのStudy Roomをご一読いただければよろしいかと。
http://study-room.info/id/study/main/study10.html
http://study-room.info/id/study/main2/study18.html
http://study-room.info/id/study/main2/study87.html
http://study-room.info/id/study/cs3/study24.html
» 2
> 「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」は同じなのでしょうか?

「メトリクス」は「プロポーショナルメトリクス」を適用したものに、
さらにペアカーニング情報をもとに文字を詰めます。
詳細は、Study Room CS3 No.24を参照して下さい。

> なぜ「プロポーショナルメトリクス」、「メトリクス」や「オプティカル」ではなく「文字ツメ」を使うのか?

「メトリクス」や「オプティカル」はもともと欧文用に付いていた機能で、
「文字ツメ」は和文用に搭載された機能です。
必ずしも「文字ツメ」を使わなければならないということではないですが、
和文には「文字ツメ」が推奨されていたかと思います。

> そして「文字ツメ」を使うのであれば、「プロポーショナルメトリクス」、「メトリクス」や「オプティカル」は何のために(用途に)存在する機能ですか?

ひとくちに文字を詰めるといっても、言語(国)やフォントによって、詰め方やルールはさまざまです。
また、フォント内に持つ情報もフォントによって異なります。
#例えば、「プロポーショナルメトリクス」はOpenTypeフォント以外では使用できないし、
 ペアカーニング情報の有無もフォントによって異なります。

InDesignの持つさまざまな文字を詰める機能を、用途や目的によって使い分けられるという意味でも、
選択肢が多いのは良いことではないかと思います。
» 3
すいません。追記です。

「メトリクス」は和文のペアカーニング情報も参照します。
「プロポーショナルメトリクス」も、和文フォントの場合には
仮名や約物のデザインを考えて付けられた機能だそうです。
ちなみに「オプティカル」のみ欧文専用の機能となるそうです。
» 4
[98]Re: 「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」 | 投稿者:(-_-メ) | 投稿日:2007/11/01(Thu) 14:14:00
> InDesignの持つさまざまな文字を詰める機能を、用途や目的によって使い分けられるという意味でも、
> 選択肢が多いのは良いことではないかと思います。

選択肢が多いってことは、結局迷う要素も多いということで、必ずしもそれがプラスに働くというわけではないので、一概には喜べないですねぇ。

YUJIさんのように、積極的に情報収集・公開してくれる方がいるので非常に助かりますが、本来こういうことはアドビ自身が、専用のページを作ってでももっと詳細に説明すべきと思います。セミナーでだけでしかこういった情報が得られないのはとても残念なことです。

こういうややこしい機能については、積極的に情報収集している人たちだけが分かっていて、その他のほとんど人たちはあまり理解しないまま使っているので、もうなんだかわけのわからないぐちゃぐちゃな文字詰めの組版をしてしまっている人のデータをよく見ますよ。

アドビには、もう少しうまくスマートにまとめてもらえないかなぁと思っています。
» 5
[101]Re: 「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」 | 投稿者:篠原酒店 | 投稿日:2007/11/01(Thu) 16:01:34
(-_-メ)さん

確かに「調整できるパラメータの種類や範囲が多い」と戸惑うのは間違いないですね。
コンピュータの性能が上がったからといって、「できるからあらゆることをする」というより「むやみに何でもできるようにするのはやめる」ことも、OSやアプリケーションの設計方針としては必要じゃないかと思います。
» 6
> OSやアプリケーションの設計方針
そう単純な話ではないのでは。
OSは1種類ではありません。
アプリのメーカーとある程度連携をとることができるとしても、同じ会社が開発しているわけでもありません。
フォントもしかり。プロポーショナルメトリクスをはじめとする組版支援機能は、あくまでOTFの機能であり、InDesignの機能ではありません。

なお、一方の機能があるから一方を削るという取捨選択は、ユーザー側に委ねられた方が都合が良い場合が多いのではないかと思います。
ああ、もちろん私見に過ぎませんけれどもね。
» 7
ヘルプの「カーニングと字送りについて」にカーニングは欧文の文字間を調整するための機能と書かれてはいますよ。それとは別に「日本語組版で文字ツメを調整するには」という項目もありますし。

解説原稿なんかを書くときはマニュアルなりヘルプを頼りにして、あとは実際に検証して理解を深める。ということの繰り返しだったりします。このヘルプなりの手元にある情報から検証を数多くやる人が自然と詳しくなっていくのだと思いますよ。
» 8
[104]Re: 「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」 | 投稿者:(-_-メ) | 投稿日:2007/11/01(Thu) 17:01:07
> フォントもしかり。プロポーショナルメトリクスをはじめとする組版支援機能は、あくまでOTFの機能であり、InDesignの機能ではありません。
OTFが持っている機能ではありますけれども、それを使えるようにするかどうかはInDesignの設計にかかるわけですよね。

> ユーザー側に委ねられた方が都合が良い場合が多いのではないかと思います。
それは使い方を理解している・する気のある人なら、という前提だと思っています。先の投稿にも書いたとおり、よく理解しないまま触っている人が多いので、下流でデータを受け取る者(私)としては、「もはやどうにもならない」状態のデータを見るのに耐えられません(^^;)

InDesignユーザーとなったからには、せめてこのサイトを隅から隅まで読んでおけ!と、言いたい(誰にだよ(笑))
» 9
篠原酒店さん>>
すみません、いつもの悪いクセで、文章の一部分だけを読んで脊椎反射してしまいました。
論点がズレちゃってますね。

あと、OTFの件に関する私の書き方は正しくないですね。
組版支援機能はOTFの仕様であり、InDesign側からそれらの機能にアクセスできるように設計されているわけなので、やはりInDesignの機能の一部ですね。
» 10
[106]Re: 「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」 | 投稿者:篠原酒店 | 投稿日:2007/11/01(Thu) 19:56:59
私は今のところ、(-_-メ)さんと同じ見解を持っています。
同じInDesignユーザーでも、YUJIさんやKOUJIさんのようにアプリケーションの機能解説をエンドユーザーの立場で率先して行い、他のユーザーの方に情報を伝えたいと考える方と、そういった解釈情報を受け取ってアプリケーションを操作するユーザーの方とでは、アプリケーションへ向き合う自主性が違うと思います。
自主性の違いは自ずとスキルの違いに結びついていくと考えています。
だからこそ、(-_-メ)さんが書いていらっしゃる、
「もうなんだかわけのわからないぐちゃぐちゃな文字詰めの組版をしてしまっている」(文字詰め機能に限りませんが)データが「出来上がって」しまい、他のユーザーの方が混乱してしまう状況を避けるためにも、アプリケーションの機能を限定的にする設計をしてもいいのではないかと思うのです。

また、KOUJIさんが
>手元にある情報から検証を数多くやる人が自然と詳しくなっていく
と書いていらっしゃいますが、私はそうとも限らないと思います。
検証作業と情報解析のレベルの掘り下げが浅い場合は、どれだけ場数を重ねても操作回数を増やすだけでスキル向上にはつながらないと思いますが、いかがでしょうか。
» 11
僕は基本的にはYUJIさんやいきさんの意見に賛成です。

日本語という世界に類を見ない文字種を使用する言語では、求められるカーニング機能も当然多くなるし、アプリケーション側だけでカーニング値を決定するにも限界があるでしょう。どこまでが必要最低限かを線引きするのは非常に難しいと思います。。。

ページレイアウトソフトって、やはり「プロフェッショナル」が使うアプリケーションだと思います。プロフェッショナル用である以上、ありとあらゆる要求に答えることを求められるのは、必然だと思います。当然、使いこなすにはユーザ側にもそれなりのスキルが求められる。。。将来的にInDesignの簡易版「InDesign Elements」なるものが登場して、「あなたはスキルがないのでElementsで作成して納品してください」…なんてことになるとは、ちょっと考えにくいです。。。

ともあれ、Adobeはもうちょっとユーザーフレンドリであってもいいとは思います
(^^;
» 12
[110]Re: 「プロポーショナルメトリクス」とカーニングの「メトリクス」 | 投稿者:篠原酒店 | 投稿日:2007/11/02(Fri) 00:36:35
ちょっと脱線ですが、複雑な機能を使いこなせる「プロフェッショナル」を育てる時間がなく、技術が未熟なオペレータに仕事を流さざるを得ないという現状も改善していかなければいけないと思います。
「プロフェッショナルでなくとも実務にあたれる環境にしたほうがいい」と提案して矛盾するようですが、「InDesignはプロが使うべきアプリケーション」というお考えは私も同感で、機能をきちんと把握したレベルに達してから実作業に当たるという環境を各企業で整えてほしい。
ただ、教えるほうも何を基準に「プロフェッショナル」と線引きが出来るかどうかは難しいですが。

もうひとつアプリケーションメーカーに考えてほしいのは、コンピュータについての専門用語を当てはめた「機能名」「コマンド名」を工夫してもらえないだろうかということです。
この辺にはプログラム言語や開発の現場で使う単語などが顔を出すことがありまして、知識のない一般ユーザーに戸惑いを与える元凶になっていないかと思います。多分英単語のコマンドを和訳しきれずに、開発側が日常的に使っている「オーバーライド」などといったコマンド名をつけてしまっているのではないかと。
「マスターページをオーバーライド」では分かりにくいですが、
「マスターページを上書き」なら分かりやすいと思います。
» 13
皆さんの貴重な意見ありがとうございます。大変勉強になりました。
個人的には、Illustrator10までの「詰め」機能(程度の物)でいいんだけどと思ってます。

>和文には「文字ツメ」が推奨されていたかと思います。
「プロポーショナルメトリクス」や「メトリクス」では約物類の詰めがおかしくなることがあるのですか? 「オプティカル」でおかしくなったことはありますが。
個人的には、かなだけ詰まって約物類の位置がおかしくならないのがあれば言うこと無いんだけどな

>「機能名」「コマンド名」を工夫してもらえないだろうか・・・・・「マスターページをオーバーライド」では分かりにくい・・・・・
自分は、段落揃えの「ノド元に向かって整列」と「ノド元から整列」。日本語なのにすごくわかりにくいですね。「ノド元」ってノド側? それとも小口側? どっちなんでしょ?
左揃え、中央揃え、右揃えなんだし
「ノド元に向かって整列」は「ノド側揃え」
「ノド元から整列」は「小口側揃え」のほうがわかりやすくないですか?
» 14
文字詰め機能について、当方の見解をここ↓に書いておきました。
http://d.hatena.ne.jp/n-yuji/20071103#p1
上の回答者さんたちの意見とは異なっているところがありますが、
質問者のsatoshiさんには、こちらの方が納得がいくのではないかと思います。
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