FAQ(3) 紙の寸法表示は

皿・板・田など平たいものを数える助数詞として「枚」が使用されておりますが、紙の場合も単位として「枚」が用いられます。その基本になるものが、1枚当たりの大きさを表す「面積」と、重さ(目方)を示す「質量」ですが、面積を表すのに紙の横・縦の寸法が必要です。また、紙の質量は、1m2当たりに換算した重さ、すなわち、坪量(単位はg/m2)や一定枚数の質量を「連量」(わが国では、単位はKg)で表します。

 

まず、紙の寸法ですが、寸法は、坪量とともに流通過程上の取引きに使用される重要な基本単位ですが、紙幅(横)と紙の長さ(縦)で表します。単位は洋紙ではmm、板紙にはcmを用い、横寸法を先に、その後に縦寸法で表示します。

例えば、枚葉紙(平判)の四六判の場合、基準寸法は横寸法(紙幅)×縦寸法(流れ長さ)として788mm ×1,091mm と表示します(図 紙の寸法表示 参照)。

巻取紙の場合は、紙幅(横寸法)の表示は枚葉紙と同じであるが、流れ寸法(縦寸法)は( )でくくり、区別します。すなわち、788mm ×(1,091)mm と表示します。これは紙幅が788mm で、流れ1,091mm を単位寸法(基準寸法)とした紙が巻き取られていることを示しており、この基準寸法1000枚分の長さであれば1R巻、7000枚分ならば7R巻といいます。

例えば、新聞巻取紙の場合は、新聞1枚(4頁)に相当する寸法 813mm× 546mm(面積 0.444m2)を基準寸法といい、これの1000枚分をもって1連といいます。

 

さらに、紙の寸法基準として、日本工業規格(JIS) に「紙の原紙寸法」(JIS P 0202)と「紙加工仕上寸法」(JIS P 0138)が規定されております。「紙の原紙寸法」には、書籍や雑誌など最終製品の仕上寸法に対応した断裁余白を含んだ寸法を原紙の標準寸法(全紙寸法)として決めたもので、最も一般的で、しかも量的に多いA列本判、B列本判、四六判菊判、およびハトロン判の5種類を制定しています。

また、「紙加工仕上寸法」は、書籍、雑誌、証券、事務用紙、図画用紙、便箋などの各種印刷物および筆記用紙の仕上寸法を規定したもので、A列とB列があり、おのおの0番から10番までが決められています(表 紙の原紙寸法および紙加工仕上寸法、その他規格寸法・規格外寸法)。

 

なお、A列、B列の仕上寸法には耳を含まないので、実際の原紙には、これを考慮してプラスアルファの寸法になっております。例えば、仕上寸法 594×841mm (A列1番)を取るには、原紙寸法 625×880mm (A列本判)のように耳をつけて原紙を取る必要があります。

 

紙の主な寸法(単位mm)

四六判…788×1,091 、B判…765×1,085 、菊判…636×939 、A判…625×880 、A倍判…880×1,250 、ハトロン判…900×1,200 、新聞用紙…813×546
(参考)

  • タブロイド判
    • 406×546mm。小型新聞の寸法、普通新聞の半ページ大の寸法(tabloid paper)
  • ブランケット判
    • 普通新聞のページ大の寸法(基準寸法 813×546mm )
  • 別寸
    • 一般品以外の特別の注文に合わせて断裁した紙の寸法。
    • 定寸に対する言葉
  • 別斤
    • 一般品以外の特別の注文に合わせて抄造した紙の米坪。
    • 定斤、定米坪に対する言葉

 

紙の寸法表示

マシン流れ方向に対し横寸法を先に、その後に縦寸法で表示(単位:洋紙 mm、板紙 cm)

例えば、枚葉紙(平判) 四六判の場合、基準寸法は横寸法(紙幅)×縦寸法(流れ長さ)で表し788mm ×1,091mm と表現

(紙の縦目は788×1,091、横目は1,091×788で表示)

  788
1,091

マシン流れ方向

縦目

 

  1,091
788

マシン流れ方向

横目

 


更新日時:(吉田印刷所)

公開日時:(吉田印刷所)