夢のある話です。世界最大の紙飛行機を飛ばしたいとの夢を叶えた少年の更なる夢である「次は宇宙で飛ばしたい」が実現するかもしれません。紙飛行機を宇宙から地球に向けて飛ばす検証試験が行われ、成功しました。燃え尽きることなく宇宙を飛び地球に帰って来られるかもしれないという、その紙飛行機を是非見たいものです。なお、世界最大の紙飛行機実現の記録は本ホームページコラム(58) 一枚の紙が夢をのせて、飛べ!世界最大の折り紙飛行機(2006年10月1日)参照。
◎紙飛行機 “宇宙から帰還"
(出所)NHK総合テレビニュース(2008年1月17日付)
紙飛行機を宇宙から地球に向けて飛ばすと、燃え尽きずに地上にたどり着くことができるか、そんなユニークな実験が千葉県にある東京大学の施設で行われました。宇宙の状況を十分、再現してはいませんが、10秒間の実験では、燃えたり大きく壊れたりすることはありませんでした。
◎マッハ7の高速高温に耐える紙飛行機 東大で実験
(出所)朝日新聞、アサヒ・コム(2008年01月18日付)
宇宙ステーションから地球に飛ばす紙飛行機の検証試験が17日、東京大柏キャンパス(千葉県柏市)にある実験用超高速風洞であった(写真左…極超音速風洞実験装置にセットされる約8センチの折り紙飛行機(中央)=17日午後、千葉県柏市の東京大学柏キャンパスで)。
同大と日本折り紙ヒコーキ協会(本部・広島県福山市)の共同研究。ガラス質の薬液で耐熱性、強度を高めた超越紙という紙でスペースシャトル形に折った長さ約8センチの紙飛行機を使った。風洞のマッハ7(秒速1.2キロ)の高速気流に12秒間耐えた。先端の温度は約200度に達した。実験の風圧と熱は実際に予想されるより厳しい条件という。実際には長さ30~40センチ、重さ30グラム以下の紙飛行機を使い、高度約400キロの国際宇宙ステーションから船外活動中の宇宙飛行士に投げてもらう計画。実験にあたった鈴木真二東京大教授(航空宇宙工学)は「実現性にかなり自信がついた」と言う(写真右…折り紙飛行機を手にする日本折り紙ヒコーキ協会の戸田拓夫会長=17日午後、千葉県柏市の東京大学柏キャンパスで)。
◎紙飛行機:宇宙を目指す 300度でも燃えずに「帰還」東大、マッハ7気流で実験
(出所)毎日新聞(2008年1月18日付)
紙飛行機が宇宙から地球に降りて来られるかを検証する実験が17日、東京大柏キャンパス(千葉県柏市)で実施された。スペースシャトル形に折り、耐熱処理をした紙飛行機(長さ7センチ)が、マッハ7の気流に10秒間耐えることが確認された。東京大と日本折り紙ヒコーキ協会の共同プロジェクトで、今年11月に国際宇宙ステーションからの飛行を目指すという。
実験では同キャンパスの風洞装置で宇宙からの帰還時に似た条件を作り、紙飛行機の耐熱性や強度を調べた。機体は最大で約300度に達したが、燃えたり損傷することはなかった。実験に当たった鈴木真二教授(航空宇宙工学)によると、実際の飛行では高度約400キロの国際宇宙ステーションからマッハ20で放出されるが、大気圏突入直後(高度約80キロ)には、マッハ7程度に減速されるという。今後、実験で得た紙飛行機に生じた圧力などのデータから、帰還軌道を詳しく計算し、宇宙ステーションから飛ばす紙飛行機(全長30~40センチ、重さ約30グラム)を設計する。
マッハ7に耐える紙飛行機 鈴木教授は「自信がついた。年内にも宇宙ステーションで作業を始める予定の若田光一飛行士に持っていってもらいたい。新しい輸送船の開発などにも応用できる」と話している。
◎マッハ7に耐える紙飛行機
(出所)【時事通信社】
極超音速風洞実験装置内でマッハ7の風に耐える特殊な紙飛行機(右写真…モニター映像から)。12秒間、猛烈な強風を受けても変形せず、実験は成功。折り紙ヒコーキ協会と東大が行った(17日、千葉県の東大柏キャンパス)
あの!スペースシャトル型折り紙ヒコーキを宇宙から地球へ帰還させる!?
ホームページおりがみひこーきのHP参照
鈴木真二東京大教授(航空宇宙工学)は「宇宙ステーションから平和のメッセージを付けて飛ばしたい。世界のどこに着陸するかわからないが、拾った人に届けてもらえれば」と夢を語る。
日本折り紙ヒコーキ協会の戸田拓夫会長によると、宇宙飛行士の若田光一さんが今年秋に米スペースシャトルで高度約400キロの国際宇宙ステーション(ISS)に飛ぶ際に、少し大きめの紙飛行機を持って行ってもらい、長期滞在中に船外活動(宇宙遊泳)を行った際、飛ばしてもらうことを検討している。既に宇宙航空研究開発機構と協議を始めたという。
注記
実験に使われた紙飛行機には超越紙という特殊な紙が用いられました。これは普通の紙?を5%のホウ酸水に浸して難燃性を持たせた後、株式会社飾一の超越液(W1900D)をスプレーしてガラス質をコーティングしたもの。この超越紙を作った株式会社飾一のホームページ◆飾一 超越紙について、超越液を開発した飾一をご覧ください。
(2008年2月1日)