コラム(69-5) 紙・板紙「書く・拭く・包む」(4)ティッシュペーパーとトイレットペーパーの現状

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ティッシュペーパーとトイレットペーパーの現状

国産化された米国生まれのトイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの衛生用紙は、この分野にさらに王子製紙や日清紡、大王製紙などが参入し、また多くの中小企業の参加もあって、量的拡大をしながら熾烈なる価格競争が展開して今日に至っています。その結果が今では例えば、ティッシュペーパーは、良質で価格は世界の各国と比べても最も安いものの一つとなっており、また、一人当たりの消費量は先輩格の米国を抑え、世界でも断トツの1位になっています。

ちょっと古い資料ですが、2001年の日本人一人当たりのティッシュペーパーの年間消費量は約4kgで、米国の1.5kgと比較しても非常に多く、世界で断然のトップ消費国となっています。ちなみに1988年は2.65kgでしたが、最近は横ばいながら2002年は3.94kg、2003年は3.87kg、2004年には3.94kgと増えています。

また、トイレットペーパーの日本国民一人当たりの年間消費量は2001年で約7.5kg、1日あたり約9mと言われ、その市場は年々拡大しています(日本製紙連合会資料)。世界での順位は上位から台湾、日本、アメリカでわが国は2番目です。なお、紙・板紙全体の国民一人当たりの年間消費量は2001年が世界で第8位(消費量242.8kg)[2005年は第6位(消費量246.3kg)]ですので、数ある品種の中でもティッシュペーパーとトイレットペーパーの一人当たりの消費量は極めて多いと言えます。この多さの原因には、日本人がきれい好きというだけでなく、製品の品質がよく極めて価格が安いこと、さらにもったいないと思えるほどの贅沢な使い方などが挙げられています。

このような景の中で、最近ではさらに高化が進み、パッケージデザインの変更、香り付き、模様付きなどの新製品が活発に開発され出回っています。ティッシュペーパーでも高品の投入が増えています。例えば価格は一般品の数倍で、話題性もあり人気は上々のようです。王子ネピアは、04年に保湿性が高い「鼻セレブ」(1箱の実売価格250円前後)を発売して高品市場を開拓してきましたが、その「ネピア鼻セレブ」シリーズの新商品、「ネピア超鼻セレブ」を今年2月9日より発売。「超鼻セレブ」はパッケージに銀箔をふんだんにあしらった浮き彫り加工などで豪華にし、上質のフレッシュパルプを3枚に重ね、潤いたっぷりのダブル保湿成分を含ませ、さらにフランスから輸入した然で採油が難しいとされるアロマオイル「ヴァーベナ」の香りを付け、加工はすべて手作業で行うなど、究極の仕様になっている由。品質も極上なら450枚(150組)2箱セットで3000円(1箱1500円)、すなわちシート1組(3枚)あたり10円という、今までには考えられない価格が話題となり、3000セット限定でしたが、インターネットで売り出すと即日完売したということです。完売後も問い合わせが殺到するなど反響は大きかったようですが、再販売の予定はないということです。(参考)ティッシュペーパー一般品5個パックの店頭価格は、2月時点で約200円(現在は値上げで2~3割アップ)。

原・燃料高などを受けて各社の家庭紙事業の採算性は依然低いため、各社は値上げを進めるなかでの高品の投入は、売上高に占める高品の割合は「まだ数%程度」ながら、既成ブランドを高めるための一種のPRであり、「購買意欲をかき立てる高付加価値品の投入で適正価格への引き上げをめざす」効果にも大きな期待を寄せているようです。

それでもティッシュペーパーやトイレットペーパーは物価の優等生であり、特売品の代表格であり、その恩恵を享受しながら、日常の身近なものとして今やなくてはならないものになってきています。

(2007年9月1日)


補遺


参考・引用文献・ウェブ



更新日時:(吉田印刷所)

公開日時:(吉田印刷所)